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一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > スペシャルインタビュー > 笹井 清範氏

成熟化社会で生き残るための
“新しい4P”を提唱

商い未来研究所笹井 清範

Profileプロフィール

商い未来研究所代表

商業経営専門誌『商業界』で現場取材を重ね、2007年より編集長。中小独立店から大手チェーンストア、小売業から飲食・サービス業、卸売業、農業、製造業まで幅広く取材し、その数は25年間で4000社を超え、共通する“繁盛の法則”の体系化をライフワークとする。2018年より、多くの商業者を育成・輩出してきた「商業界ゼミナール」を運営。2020年には、商業をはじめ暮らしを心豊かにする事業に関わる人たちへの支援を目的に「商い未来研究所」設立。急速に進む人口減少・成熟化社会にあっても成長できる商人の育成を事業理念に、研修やコンサルティング、講演や執筆に取り組む。商人応援ブログ「本日開店」では、取材から学んだ“商いの心と技”を毎日発信。今年6月に刊行された著書『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則 「ありがとう」があふれる20の店の実践』(同文舘出版株式会社)が好評を博している。

これまでビジネスの成功法則とされてきた「プライス、プロダクト、プロモーション、プレイス」の、いわゆる“4P”。しかし、人口減少社会を迎え、消費意識や生活様式が激変した現在において小さな企業が生き残るためには「時代に合った新しい法則が必要」と、元『商業界』編集長で「商い未来研究所」を立ち上げた笹井清範氏は指摘。著書『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則 「ありがとう」があふれる20の店の実践』の中で“新しい4P”を提案しています。笹井氏が提唱する“新しい4P”とはどのようなものなのか、具体的な事例も含め、お話を伺いました。

繁盛の法則“新しい4P”とは?

Q. これまで専門誌『商業界』で編集長として活躍され、今年6月には新刊『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則 「ありがとう」があふれる20の店の実践』を発売されました。本書で提唱されている、これまで成功法則とされてきた“4P”に代わる“新しい4P”についてお話をお伺いしたいと思いますが、まずは出版にいたるまでの道のりとして、これまでのご経歴について教えてください。
商業界という商業経営専門出版社で働く前は、新卒で新聞社に入社して約3年間勤めました。
その後、ある経済評論家とのご縁で、商業界に入社しました。
入社前は業界誌のひとつ程度の認識でした。しかしすぐに、商業界という出版社が果たす役割の重要性に気づきました。

たとえば、商人の道場と呼ばれる「商業界ゼミナール」では、これまでに多くの商業者を育成しており、創立者の倉本長治もこれまでに多くの商業者を育てています。
そういう事実を知り、とんでもない人がいたんだなと思いました。それから彼の本を読んだり、承継者であり私が入社した当時『商業界』主幹だった倉本初夫氏の薫陶を受けたりして、商業が持つ社会的な使命などを知り、20数年仕事をしてきました。

入社当時は、倉本長治の死後10年以上経っていましたが、彼の教えを受けた全国の商業者が各地で勉強会をするなどして教えを実践していたんです。
そういう現場に出会い、驚きつつもすばらしいものだと感じました。
そうした思いが、今回本を書いた理由のひとつになっています。
また、入社当時から記者として4000社以上の現場を見てきた中で、「彼らの役に立ちたい」という思いもありました。
Q. 2007年には編集長に就任されました。当時の状況について教えてください。
高度経済成長期から続いていた商業の産業化が進む一方、日本の商業化転換期を迎えていたころでした。
その後、リーマンショックも重なり、順調に成長していた企業が倒産するケースが多々ありました。
一時はピークを極めた企業が、経営破綻をしていく。
そういう状況を見て、「これまでにやってきたことは間違いだったのか……」と思いました。

そして、日本の商業は問題を抱えながらもこれまでのやり方に囚われ、一方で商店街はどんどんさびれていきました。
つまり、産業化を目指した大手の小売業が破綻し、商店街も厳しい……という状況になり、戦後からやってきたことが破綻してきたわけです。
西友もウォルマートに買収され、「全部外資系になってしまうのでは」という思いも抱きました。編集長になったのはそんなときです。

問題意識として「今までの成功法則は理解しているけど、ほかに何か新しい方法や、商業として役割を果たしていく道があるかもしれない」という思いがありました。
それがないと、衰退する一方ですから。
そういう新しい商業のやり方を、小さな企業や起業したばかりの人たちに伝えたかったんです。
Q. 昨年には、「商い未来研究所」を立ち上げられました。
2020年4月に出版社としての商業界が経営破綻しました。
しかし、商業界の伝えてきた理念は廃れたわけではありません。
そこで、微力ですが生活者の暮らしを心豊かにすることを事業者を支援したいと、「商い未来研究所」を立ち上げました。
Q. 今年6月に著書『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則 「ありがとう」があふれる20の店の実践』を出されました。どのような層に、どんなことを伝えようとされたのでしょうか。
本では、今までの“成功の原則”を実践しているのにうまくいかず悩んでいる方が多いのではないかと考え、“新しい4P”として4つの法則をまとめました。
もっとも、私自身がまとめたというよりも、多くの商業者の繁盛事例を取材する中で共通する4つの要素があったのでそれを整理した、というほうが近いかもしれません。

経営破綻した方の中には、“4P”と言われている、1960年代に誕生したマーケティングの法則を信じて実践してきた方がいらっしゃいます。
4Pとは「プライス、プロダクト、プロモーション、プレイス」。
これらは今も古びてはいませんが、規模が大きい企業に有利に働く法則なので、小さな企業の場合はうまくいかない事実がありました。
そこで、この4Pに代わるものはないかと考え直し、新しい4Pを提案させていただいたわけです。
Q. 新しい4Pとは、具体的にはどのようなものでしょうか。
まず「プライス」に代わるのが「PHILOSOPHY(フィロソフィー)」。
つまり哲学や理念です。お客様は、事業者の理念をしっかり見ており、単に価格よりも理念に共感する時代を迎えています。

次に、そのフィロソフィーに基づいたプロダクトである「STORY-RICH PRODUCT(ストーリー・リッチ プロダクト)」。
これは誰かに伝えたくなるストーリー性を持っているものです。

そして、「プロモーション」に代わるのが「PERSONALITY(パーソナリティー)」です。
広告宣伝の役割が終わったわけではないですが、インターネット時代では何が役に立つ情報なのかわかりづらい。
砂漠の中に埋もれたダイヤモンドを探すようなもどかしさを持っています。
そのときに意味を持つのが、事業者の個性や人柄、信頼性が込められたパーソナリティーです。

最後に、「プレイス」に代わるのが「PROMISE(プロミス)」。
流通や立地は今でも大切ですが、過疎地で成長している事例も数多く存在しています。
つまり、お客様はお店が果たしてくれる“約束”に期待してわざわざ来店しているわけです。
本書では、これからの成熟化社会の中で生き残り、社会に役立つ存在となるための、この新しい4Pを提案しています。
そして、その具体的実践例として20社それぞれの新しい4Pを解説しています。
Q. 本書では、「明日のヒントは今日の事実の中にある」と指摘しています。この「今日の事実」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
「人口動態」と「世帯の類型の変化」です。
まず、「人口動態」は、ビジネスを考えるうえで一番大事な条件です。
日本の人口は2008年にピークアウトし、これから急速に減少して高齢化していくことは避けられません。
日本の人口は明治維新をきっかけに急速に上昇し、2008年に同じ勢いで減少期に入りました。
人口が増加して簡単に新しいお客様と出会えた時代と、人口が減少して新しい出会いが少なくなった時代では、同じ法則は通用しません。

また、高齢化も避けては通れません。常に顧客は変化しているのです。
つまり、事業者は今のお客様に合った役立ち方をしなければいけないわけです。
また、世界のあり方も大きく変わっています。
これまで多くの小売業がファミリー層をターゲットとしてきましたが、今は単身世帯が世帯分類の主流です。
しかも、これからは高齢者の単身世帯が増えていくでしょう。
こうした中で私たちに何ができるのかを考える必要があると思います。

新しい4Pを体現している人気スーパー「さいち」

Q. 新しい4Pを体現している事例について教えていただけますか。
宮城県仙台市の「さいち」という小さなスーパーマーケットの事例をご紹介します。
「さいち」は佐藤さんご夫妻が創業した、仙台の中心地から車で30分ほどの温泉地にある80坪ほどのスーパーです。
商圏人口は現在約4200人で、日本各地で起こっている過疎化と高齢化のモデルとなるような立地です。

このスーパーでは「おはぎ」が有名で、平日に1日5000個以上売れる。
週末には平均で1万個以上、春と秋のお彼岸には1日に2万5000個以上売れるという、考えられないような売れ方をしています。
そのおはぎが誕生したのは、あるお年寄りからの注文がきっかけでした。

その注文とは、盆休みに帰ってくる息子と孫にいつも作っていたおはぎを食べさせたいけれど高齢で難しいので「さいち」で作ってくれないか、というものでした。
当時、スーパーでおはぎを売っている店はほとんどなかったのですが、佐藤さんご夫妻は願いを叶えようと、おはぎ作りにチャレンジしたんです。

そのときに考えたのが、“家庭の味”を大事にしたいということ。
それで甘さを控え、毎日食べても、何個食べても胸焼けしない味を完成させました。
受けた注文は10個でしたが、余分に作ったものも売り場に並べてみたら好評で、常設で置くようになり、徐々に口コミで広がり、仙台を代表するソウルフードになっていった……というわけです。

一時は、お客様から「おはぎが甘くない、砂糖をケチっているのでは」とクレームもありましたが、目指したのは「おばあちゃんが作る家庭の味」。
だからそういうお客様には、おはぎ売り場の横に砂糖の小袋を置いて「甘さが足りないと思ったら砂糖をかけてください」と対応しました。
結局、砂糖を持って帰るお客様は多くはおらず、売り場から消えました。
Q. 新しい4Pという観点では、具体的にはどのように当てはまるのでしょうか?
まず「フィロソフィー」は「家庭の味を作る」こと。
哲学を反映した商品を作ったわけです。
おはぎだけではなく、お惣菜も「家庭よりもおいしい家庭の味」を目指しており、添加物を使わない手作りの商品となっています。

こうしたお惣菜を作った結果、売り上げ構成比は5割以上がお惣菜です。
ほかのスーパーマーケットの場合、たとえばヤオコーでは20%ぐらい。そう考えると、「さいち」がいかにお惣菜に強いお店であるかがわかります。
また、わざわざ中心地からお客様が来ることからも、地元で愛されるものを作ると、結果として商圏が広がる、という好例と言えると思います。

印象的なエピソードがあります。
いろいろな種類のお惣菜があるので、あるとき専門家を呼んで、従業員のためのマニュアルを作成したそうです。
すると、しばらくしてお客様の間で「最近お惣菜がおいしくない」と言われるようになってしまった。
つまり、それまではお客様の反応を見て作っていたけれど、マニュアルだけを見て作るようになってしまって、味が落ちたわけです。

そこでマニュアルを全部捨て、もう一度お客様の反応を見ながら作ることに徹したそうです。
「さいち」は厨房にモニターがあり、お惣菜売り場が映るようになっていて、お客様がどういう反応をしながらお惣菜を選んでいるのか、たとえば手に取ったお惣菜を戻したらそれはなぜなのか、現場を見ながら作ることを徹底しています。
そこに、お惣菜で魅力的な店を作った大きな要因があると思います。
実際、ヤオコーやイオンなど多くのスーパーが、「さいち」にお惣菜の作り方を習いにいっているんです。

どれだけ現場と真剣に向き合うか、お客様の声になっていない声を反映させるか……それを小さな単位で愚直にやっているのが、「さいち」。
小さな店の強みを十分に発揮したお店です。
現在は継承者がお店で働いていて、伝統や理念をきちんと受け継がれるようになっています。
今度お店を建て替え、よりお客さんをお迎えしやすいお店にする計画もあるそうで、これからも人気店であり続けるのかなと思います。
Q. ほかに新しい4Pに当てはまる要素があれば教えてください。
「パーソナリティー」、つまり佐藤ご夫妻の人柄ですね。
たとえば、ご主人は今も開店する前、三軒両隣を自ら掃除しています。
地域の人もそれを知っているから、佐藤さんは「さいちさん」という呼ばれ方をしているんです。
私が思う「いい店」と「悪い店」の違いのひとつに、「地域の人からの呼ばれ方」があって、「さん」づけで呼ばれているのはいいお店なことが多いんです。
つまり屋号がキャラクター化し、パーソナリティーになっているということですから。

次に、「さいち」が「プロミス」としてお客様に約束しているのは、「小さな町だからこそ、そこに住んでいる人に都会以上にいい暮らしをしてほしい」ということ。
近くにはデパ地下なんてありませんし、そもそもお店がない。
でも、自分たちがそこに店を構えている以上、地域の人にどこよりもおいしいものを食べてほしいと思っている。
だから手間暇をかけたお惣菜作りを続けているんです。

ひとつエピソードを紹介します。
私が取材したとき、「お惣菜を作る過程を最初から見せてほしい」と言ったら、総菜の責任者である奥様の澄子専務が、ちょっと困った顔をしたんです。
許可はいただけましたが、指定された時間が午前2時。
つまり、夜中から作り始めて朝の開店に間に合わせているわけです。
それだけ手間暇をかけているからこそ、添加物を使わずにとてもおいしい味に仕上げているわけですね。
それをずっと続けていることをお客様もわかっている。そこには、佐藤さんのお客様に対する「約束」があり、その結果、お客様との間に絆ができて、どんなに過疎地でもわざわざお客様が来店するんです。

もうひとつ、佐藤ご夫妻の熱意や哲学が伝わるエピソードをお話しします。
実は澄子専務が2020年2月にお亡くなりになってしまったのですが、ご焼香に伺ったとき、見せていただいたのが、小さなトランプぐらいの大きさの段ボールの破片に奥様がメモ書きをしていたものでした。
澄子専務は、夜中にふと目がさめたとき、新しいお惣菜のレシピや、どういうふうに改良したらおいしくなるか、あるいは季節のお弁当に何を入れるか……など、お惣菜に関する備忘録を山のように残していたんです。
お客様に喜んでもらえるお惣菜を作ることが、人生そのものだったんですね。
そういう熱意や哲学が具現化した商品を、お客様は見ているわけです。
Q. ブランドの世界では、機能的価値と情緒的価値という言葉があり、今は機能性が特に大事だと言われています。「さいち」も商品の品質を徹底しているように感じました。
そうですね、まさに「機能的価値が良ければ情緒的な価値も生きる」ということを表していると思います。
「さいち」はそれを愚直なまでに実践していて、その一途さがお客様にちゃんと伝わっている。
だからお客様はどんなに遠くてもわざわざ行くのだと思います。
「さいち」がある秋保という町は有名な温泉地なのですが、お客様の行動を見ていると、「さいち」でおはぎを買いたいからついでに温泉にも入る、という逆転現象が起きているようです。

地域の特異性を生かしたマルニジーンズ

Q. 「ストーリー・リッチ プロダクト」について詳しく教えてください。笹井さんが考えるストーリー性とはどのようなものでしょうか。
「ストーリー・リッチ プロダクト」は、私なりに表現すると「その体験をしたお客様が誰かに教えたくなるような感動を伴う商品」です。

たとえば、本書でもご紹介している事例で、新潟の妙高市に「マルニジーンズ」というジーンズショップがあります。
日本でかなり早い段階からオリジナルジーンズを作っているお店で、天然のインディゴを使って手織りしたこだわりのジーンズを扱って熱狂的な支持を集めています。
妙高は雪深い地で水資源も豊富。
そこで「マルニ」ではジーンズができると、糊を落とすために天然水に漬け込んで、さらに雪原に置いて干すんです。
妙高の雪どけ水を使って水にさらすと、天然の藍の発色が良くなるという科学的な根拠があり、妙高でしかできないブランドだと打ち出しているわけですね。
ほかのジーンズとは違う地域の特異性を加味して、ジーンズ好きをうならせる物語性を持っているんです。
1本3万円近くするにもかかわらずファンが多く、彼らがまた誰かに伝えることでファンが増えていく。
そういう強いブランド性を持っています。

「マルニ」でオリジナルジーンズを始めたのは二代目店主でした。
先代が、当時は都会に行かなければなかなか手に入らないようなジーンズやカジュアルファッションを売り始めて、「マルニ」は地元の人にとってファッションのコミュニティーのような場所になっていました。
だから二代目には、どれほど過疎化しても、この土地で商売をしたい思いがあったんです。

そこで「この土地の良さをどうにか商品に表せないか」と考えて、天然水に漬けたり雪にさらしたりしたんです。
また、妙高は上杉謙信の治めた土地。
だからバックステッチも刀がクロスしたようなデザインだったり、皮のラベルも上杉謙信が旗印に使っていた毘沙門天の毘の字を採用したり、地域性にとてもこだわっています。
ただ、そうした価値が生きるのも、やはりジーンズの確かさがあるから。
だからこそ、独特のデザインや雪どけに漬けるといった情緒的価値が生きるのだと思います。
Q. これまでに4000件以上の取材を重ねた中で、印象的だったことを教えてください。
ダイエーのお話をします。
ダイエーを創業した中内功さんは、倉本長治の教え子のひとり。
大阪でダイエーを始める前から倉本とつながりがあり、可愛い弟子のひとりだったそうです。
で、中内さんの晩年にインタビューさせていただいたとき、「これまでの商人としての人生を振り返ってどう思うか」と聞いたら、「もう一度小さな八百屋をやりたい」と仰ったんです。
とにかく商人としての熱意がすごい方でした。

面白いエピソードをご紹介します。
中内さんは店舗の視察をして売り場を変えることが生きがいでしたが、あるとき、ある店に入ったら、青果売り場が全然なっていませんでした。
そこで店長を呼んで指導し、1時間かけて売り場を改善したそうです。
すると、店長からお礼を言われた。中内さんは「なぜわざわざお礼を言うんだろう」と思ったのですが、実はそこは競合店のイオンだったそうです(笑)。

このエピソードからも、中内さんが目に入ったものを良くしたいと思ってしまう、すばらしい商人だったことがわかります。
実際、ダイエー出身で中内さんの教え子は、多くの方々がチェーン系の小売で活躍されていますね。

もうひとつ、これはユニクロのエピソードですが、まだ広島にあるころ、創業祭では、朝早くから並んでくれるお客様に牛乳とあんパンを配っていました。
それも、わざわざ会長の柳井正さんが店に来て、自分で配っていたんです。
こうしたことを、今から10年ほど前まではしていました。
これも、お客様に喜んでもらいたいという思いの表れなのかなと思います。
現場を愛する人として、中内さんも柳井さんも記憶に残っていますね。
Q. 最後に、今日のまとめと今後の展望を教えてください。
今回紹介した新しい4Pは、新しいものというわけではなく、そもそも商業が根本的に持っている大切なことを4つにまとめたにすぎません。
これから人口が減少する中で、過疎化する地域は増えていくでしょう。
大手の企業であれば撤退は容易ですが、そこで商売をしている人は、人口が減っても商売を続けるために強くならなければならない。
そういうときに、今回の本を参考にしていただければ、ヒントが見つかるのではないかと思っています。
私自身の今後は、地域に根を張った商売をされている方々への支援を中心に、その商業を守り、育てていくような活動をしていきたいと思っています。
『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則「ありがとう」があふれる20の店の実践』

『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則「ありがとう」があふれる20の店の実践』
(同文舘出版株式会社)

https://www.amazon.co.jp/dp/4495540858

※掲載の記事は2021年10月時点の内容です。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。

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