「ブランド脳のススメ」

ブランディングに役立つ情報・事例満載の無料メールマガジン。

一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > スペシャルインタビュー >飯島毅氏

カラオケ文化をけん引した「ビッグエコー」30年の歩み

飯島 毅 氏

【プロフィール】

第一興商 上席執行役員 店舗事業本部長
飯島 毅 氏

2000年3月入社。ビッグエコーおよび飲食店舗の店舗開発業務に携わり、2016年3月店舗事業本部副本部長に。2017年4月より現職。



聞き手:ブランド・マネージャー認定協会 広報担当 光山




カラオケボックスの「ビッグエコー」は1988年に1号店をオープンして以来、積極的な出店戦略やブランド戦略で、535店舗(2018年3月31日現在)を展開するまでに成長しました。当初スナックなどのナイトレジャーに過ぎなかったカラオケは、いかに市民権を得て、文化として浸透していったのか。カラオケボックスの新たな活用シーンはあるのだろうか。ビッグエコー30周年に際し、第一興商の飯島毅・上席執行役員 店舗事業本部長に伺いました。



積極的な出店戦略が奏功

聞き手

ビッグエコーはカラオケボックス業界としてはかなり先発で、今から30年前の1988年に第1号店をオープンされました。その時のカラオケを取り巻く環境を教えてください。


飯島

私はまだ第一興商には入社していなかったのですが、1988年、当時27歳のころは、カラオケ=スナックでしたね。その7、8年前はスナックの全盛期で、8トラック(磁気テープ)のカラオケ機が置いてあって、スナックをはしごしてカラオケを歌っていた時代です。


ビッグエコー1号店

聞き手

ナイトレジャーの一つだったカラオケがここまで幅広い層に支持され、広まっていった理由はなんでしょうか。


飯島

それはもう、カラオケボックスが、誰もが安心して歌唱を楽しめる場所であることが認知されたことによります。カラオケがお酒の場でなくても、プライベートでも楽しめる。家族や友人とのレジャー、同僚との飲み会の二次会など、バリエーションも増えました。「身近なレジャーがやってきた」ということで、カラオケのルーム数は1996年までうなぎ上りに増えていきました。


聞き手

その中でビッグエコーがトップシェアの店舗数を誇るまでに成長されたのは、どんな理由があったのでしょうか。


飯島

大きな理由は出店戦略が功を奏したことです。一時期の増減もありましたが、需要が爆発的に増える中、積極的に出店していきました。基本は駅前一等地、それから繁華街を中心に展開していきましたが、全国23社ある第一興商の販売子会社の力によって、よりよい立地の店舗を出店できたことが大きかったです。

1997年にはビル一棟店舗が銀座数寄屋橋にできて、街中の大型店も積極的に出店するようになりました。また、飲食店舗との複合店舗を出店できるという弊社の優位性も、理由の一つにあげられます。

さらに、ブランド戦略も同時期に積極的に行うようになりました。ロゴを今の「BIG ECHO」に一新、全国で統一したのは2000年です。販売子会社各社との「目線の統一」も行い、全国のお客様によりよい歌唱の場を提供するビッグエコーのブランド統一が図れたのもこのころからです。


店員にも喜びと成長を

聞き手

私のビッグエコーのイメージとして、音が良いというのももちろんですが、店内の清掃が行き届いていて、店員さんがとてもテキパキと、そつなくサービスをこなされているように思います。店員さんの教育はどのようにされているのでしょうか。


飯島

教育には非常に力を入れています。われわれはアルバイト店員のことを、一緒に協力しながら仕事をしてくださる相手という意味を込めて「パートナー」と呼んでいます。 入店したての店員さんを「プライマリーパートナー」、その上を「ジュニアパートナー」、さらに上を「トレーナー」と呼び、それぞれに階級を設けて、階級に応じた教育を行っています。

パートナーさんには、チームワークで働く大切さ、喜びを感じてもらい、成長してもらいたいと思っています。そしてゆくゆくは、ビッグエコーで勤務した経験が、キャリアのステップになってほしい。具体的にいうと、就職活動においてビッグエコーで勤務した経験が評価されるような、それくらいにブランドを高めたいと思っています。


カラオケのシーンが多様化

聞き手

一部のメディアでは消費者の「カラオケ離れ」が進んでいるといわれていますが。


飯島

いえ、カラオケ市場は非常に安定しており、利用人口はほぼ横ばいです。その数は日本人口の3分の1程度を占めるほどで、カラオケが文化として定着しているということを示していると思います。確かに二次会でカラオケに行くことは若干減ったかもしれませんが、例えば昼間の利用が増えたり、ここ数年では「一人カラオケ」も増えたりもしています。利用するシーンが多様化しているということだといえます。


聞き手

利用シーンに合わせたサービスの展開はされていますか。


飯島

例えば女子会やママ会にも手軽に利用していただける室料3時間無料・コース料理付で1名様2000円の『パーティーコース』などを設けています。「ライブルーム」「エレガントルーム」「キッズルーム」「レストランルーム」「ライティングルーム」などご利用されるシーンによって多様なルームもご用意しています。

中でも特徴的なのが「デュアルプロジェクタールーム」であり、モニターではなく、部屋の壁2面を使ってプロジェクターで映像を投影しライブの臨場感を疑似体験してもらうルームです。


デュアルプロジェクタールーム

「ビッグエコーは魔法の箱」

聞き手

カラオケ以外の利用はあるのでしょうか。


飯島

2017年からビジネスパーソン向けにカラオケルームをワークスペースとしてご提供するサービスを始めました。よく営業パーソンの方は、商談と商談の空いた時間に、喫茶店に入ってパソコンを広げて作業をしたり会社に電話を入れたりされますが、見せてはいけない資料が周りに見られたり、話が聞かれたりして不安ですよね。そういった時間にカラオケルームという個室をご自由に使っていただければと考えています。

しかもカラオケルームにはモニターやマイクもありますから、プレゼンや会議などでも使えます。せっかくの一等地で、昼は比較的部屋が空いていますから、有効に使っていただきたいと思います。 もちろん、ビジネスシーンでの活用をきっかけに、よりカラオケルームとしてのビッグエコーに親しみやすくなっていただきたいという思いもあります。


ビジネスパーソン向けカラオケルーム

聞き手

30周年を迎えられました。これからの抱負を教えてください。


飯島

30周年にあたり「ビッグエコーは魔法の箱」というテーマを掲げました。カラオケで歌っていると、自分が変わったり、新しい自分を発見したりすることってありますよね。パートナーさん(店員)にとっても、働くことの喜びが得られる機会です。そんな「マジック」を起こせる場という思いを込めて「ビッグエコーは魔法の箱」というテーマにしました。

今後の展望ですが、これまでもアーティストさんとコラボレーションしたり、家具・雑貨ブランドとタイアップしたりと、時代時代のトレンドに応じた企画を行ってきました。今後も新しい企画を打ち出しながら、楽しく快適な空間づくりで、カラオケファンを増やしていきたいと思っています。


ビッグエコー外観