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一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 >株式会社サイトウ(愛知県)

ブランディング事例

真のエシカルを実践した 小さな肉屋の復活への挑戦
2024年度BRAND MANAGEMENT AWARD 準大賞・最優秀賞

真のエシカルを実践した肉屋のブランディング(愛知県) ブランド・マネージャー:合同会社Brand. Communication. Design. 平野朋子/三浦事ム所 三浦路夫



「真のエシカルを実践した肉屋のブランディング」は、少量多品種のものづくりに徹している小さな肉屋のブランディングです。ブランディングの対象となった肉屋は、1976年に食肉卸・小売事業を開始しました。家畜類を一頭買いしていた創業者が、一頭丸ごと使い切るハムづくりのためにドイツの設備を本格導入したことでハムやソーセージの数々のコンクールで受賞するまでに成長。ただ、2014年から売り上げが右肩下がりになり、ブランディングによる再生に取り組みました。

ブランディングでは、時代に合わない販売手法や顧客の高齢化などの問題点を発見。市場分析を行い、エシカル消費市場の規模は年々拡大していることから、販売方法やコミュニケーション手段を改善することでターゲットが若返り、過去最大の売り上げを取り戻せるのではと仮説を立て、ゴールを「ターゲットをシフトし過去最大の売り上げ3億円を取り戻すこと」と設定しました。

まずコミュニケーション手段は、見込み客と既存顧客で年代やライフスタイルが異なることから、「口コミやチラシ、DM、テレマーケティング、カタログ」から「レビューやSNS、ギフトサイト、楽天、自社EC」に変更。ブランド・アイデンティティは、同店のハムやソーセージが無添加自然素材のみを使い、大量生産とは一線を画した独自の価値を持つことから、「本物の一流肉を、汚すことなく届ける。」と決定しました。ここで言う「本物の一流肉」とは、A5ランクなどのサシが入った高級肉という意味ではなく、健やかに育てられた家畜の肉を指します。また、血管以外の部位も工夫して活用し、手間暇を惜しまず少量多品種のものづくりに取り組むことで、本物の味わいと品質を追求しています。この姿勢が、命への敬意と製品へのこだわりを象徴しています。ロゴマークは、本物を作り続けるマイスターをシンボル化しました。さらにマイスターと看板商品「ポリポリくん」のキャラクターを制作し、そのキャラクターを活用したブランドストーリーも作成。すべての製品、パッケージ、ウェブサイトに展開しました。

ブランディングの結果、売り上げは昨年対比24%増となり、目標の3億円を達成しました。ブランディング前にシニア世代が90%だった顧客属性は、ブランディング後は子育て世代とシニア世代がともに50%に変化。SNSは、Xが10万フォロワー、Instagramが2万フォロワーになるなど多くのフォロワーを獲得。楽天ランキングでは「加工品部門」「ソーセージ部門」「ウインナーソーセージ部門」の3部門で1位を獲得し、高島屋や名鉄百貨店、四つ星ホテルからの引き合いも生まれました。こうした取り組みが高く評価され、2024年度のBRAND MANAGEMENT AWARDでは準大賞と最優秀賞を受賞しました。








サイトウハム


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