一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 > 株式会社みかも(徳島県)
地方の衰退産業が挑戦した、社会課題解決型ブランディング
2019年度ブランディング事例コンテスト SDGs審査員特別賞受賞。
株式会社みかもは、徳島県三好郡東みよし町に本社を置くガソリン販売業。創業は1971年、2013年に法人化し、2015年より徳島県の伝統産業である桐下駄製造の工場を買い取り、「ジーンズにあうおしゃれ下駄」をみかも木履(もくり)としてネット販売も始めていました。資本金は500万円、社員数は、6名(2019年7月8日現在)、代表取締役の金村盟(かなむらまこと)氏は、2013年に三代目後継経営者として就任し、いずれはカフェ事業をやりたいと考えていました。
中小企業のブランド戦略において、選択と集中が基本ですが、ガソリンスタンドなどの成熟産業、衰退産業の場合は必ずしもこの選択と集中が当てはまるとは限りません。周辺需要として、洗車・カーコーティング・レンタカー・中古車買取等、車に特化した事業を展開していたものの、今後の高齢化や人口減少、電気自動車やシェアリングエコノミーの普及によっていずれ衰退するのは明らかであり、この事業展開からいかに脱却したらよいのかが課題でした。とはいえ、今はまだ需要があるためすぐには捨てることはできません。いかに収益を落とさずに新しい事業を展開し、ビジネスモデルイノ―ベーションにつなげるのかが課題でした。
そこで、一見バラバラにみえるガソリン販売事業、車関連事業、桐下駄事業、カフェ事業をどのようにみかもらしく展開すべきなのか、地方の過疎地という立地、少ない社員という地方の中小企業にありがちな条件の中で最大限の成果を得るために、社会課題解決を意識した経営理念を再構築することで統合した事例です。また、SDGsのターゲットを戦略に取り込み実践した点も高く評価され、今回の受賞につながりました。