一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 >株式会社九重雜賀(和歌山県)
『赤酢』がある食卓で人生を豊かに! 和歌山の蔵元が販路開拓に挑戦
2022年度ブランディング事例コンテスト 農商工連携審査員特別賞受賞
九重雜賀は、 和歌山県でお酒と赤酢を醸す蔵元です。日本酒のBtoC販路の開拓を検討していましたが、市場にはすでにブランド力のある蔵元が多く存在しており、かつ日本酒市場が縮小傾向にあることなどを鑑みて、日本酒と赤酢を同じ敷地で醸しているという強みを生かし、酒粕から作られる赤酢のブランディングに着手。一般消費者への認知が低かった赤酢のブランド力を強化することで、企業全体の認知と売り上げアップを目指しました。
ブランド構築では、社長をはじめ経営陣と事業部の各担当がプロジェクトメンバーとなり、じっくり時間をかけてステートメントを作成しました。3C分析を行い、市場機会を「雑賀の赤酢を取り入れた食卓で、人生を豊かにしたい」とし、ペルソナに届けたい価値を明文化。「上質な素材・丁寧な製法を守り、100年後も使い続けられる商品で人生を豊かにしたい」というブランド・アイデンティティを作り、タグラインは「まっとうな酢、まっとうな酒、時をこえる。」と決めました。ロゴマークやホームページ、ECサイトも刷新し、新商品開発にも着手。「赤酢といえば九重雜賀」というイメージ構築のため、雑賀吟醸赤酢をベースにした「すし酢」を発売しました。
こうしたブランディングにより、赤酢事業全体の売り上げは、サポート前との比較で2.07倍に成長。ホームページ、ECサイトもリニューアルから1年で注文総数、売り上げ共に約2倍になりました。リピーター率は10%から37%に増加したほか、顧客視点の商品作りができるようになるなどの数字以外の効果も生まれました。