一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 >YESTAGE GROUP(イエステージグループ)(和歌山県)
地方発・持続可能な小規模分譲地ブランド「Link Ring Town Kurusu(リンク・リング・タウン栗栖)」
2022年度ブランディング事例コンテスト 準大賞・SDGs審査員特別賞受賞
「Link Ring Town Kurusu(リンク・リング・タウン栗栖)」は、街並み形成とコミュニティー形成にまで踏み込んだ持続可能な小規模分譲地ブランドです。手掛けたのは、地元和歌山で宅地分譲事業を展開するイエステージグループ。和歌山県は人口の減少、若者の流出、自然災害という問題を抱えていたため、同社ではこうした問題へのアプローチとして「若者が帰ってきたくなるような、災害にも強い魅力的な街を作ること」を着想しました。
ブランディングでは、まず過去の災害データなどを基に「価値観の近い人を集めれば良質なコミュニティーが形成され、いざというときに助け合える、災害にも強い持続可能な街を作ることができる」と仮説を立て、ブランドを構築。防災と街並み形成をテーマにした「あそぶ・たのしむ・つながる セーフティーな街」というブランド・アイデンティティを打ち出しました。
次に、ブランド・アイデンティティに沿って「グリーンで繋げる一体感のある街並み」「建築協定によって守られる美しい街並み」「楽しみながら育まれるコミュニティー」という3つのコンセプトを打ち立てました。「グリーンで繋げる一体感のある街並み」では、ガーデンやエクステリアに条件を設け、専門家が街全体を考えながらデザイン。また、「建築協定によって守られる美しい街並み」は、住む人が変わっても適用され続ける分譲地独自のルールを設けることで資産価値の維持向上と美しい街並みを担保しました。そして「楽しみながら育まれるコミュニティー」は、防災にちなんだイベントを通じて、遊び、楽しみながら住民同士のコミュニティー形成を手助けしました。
これらのブランディングの結果、2023年2月と定めていた完売目標よりも早い段階での完売が見込まれているなど、早々にマーケティング目標を達成。また、定性的には問い合わせの質が変化したほか、以降のプロジェクトにおいてはスタッフが自発的に動くなど、スタッフの行動変容という成果が顕れています。こうした取り組みが高く評価され、シンポジウム参加者の投票で選ばれる2022年度のブランディング事例コンテストでは準大賞に選ばれました。