一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 >株式会社安岐水産(香川県)
過疎地域に指定された海の町で 企業主導型の地域ブランディング
2025年度BRAND MANAGEMENT AWARD 農商工連携審査員特別賞


「過疎地域に指定された海の町で 企業主導型の地域ブランディング」は、香川県さぬき市津田町を舞台に、地元の水産加工会社が主導した地域ブランディングの事例です。過疎化や海洋汚染、魚食離れに危機感を抱いた地元の水産加工会社・安岐水産の安岐麗子社長は、かつての賑わいを取り戻したいと考え、社員と「お魚生活すすめ隊」を結成。海と魚食文化を守る活動を始めました。ただ、思うように進まなかったためオレンジフリーが参加。安岐水産と津田町のブランディングを重ね合わせて進めるブランディングを提案しました。
まずは安岐水産のリブランディングに着手。幹部でチームブランディングに取り組み、ブランド・アイデンティティは「瀬戸内から贈る、ひとクラス上のお魚生活」に決定。また、ブランド・ビジョンは「いのちの海。未来へ。」とし、あらゆるタッチポイントで可視化していきました。地域ブランディングでは、3C分析で「海の環境汚染への関心と行動ギャップ」と「魚食文化を守る打ち手が見えていない」という課題を抽出。「お魚生活すすめ隊」の活動を特別な体験コンテンツに再編集すれば生活者を惹きつけられると考え、バーベキューやお魚さばき体験、ビーチクリーンなどの体験をデザインしました。さらに、人を惹きつけるシンボルとして海の環境ファンタジー絵本「ねこ海レストラン」を着想。津田の浜辺を舞台に2本足で歩く不思議な猫・ちゅみと東京から来た兄弟を描いた絵本で、訪れたくなる津田町を描写。現実の海ごみ問題も登場させ、環境への気づきを生む仕掛けにし、社屋裏のコンテナショップは「ねこ海レストラン」にリノベーションしました。
ブランディングの結果、安岐水産、さぬき市、津田町漁協、漁師、地元事業者、地域住民と共創した「津田港わくわくフェスティバル」の参加者数は最高2200人と、人口の2.4人に1人の動員を実現。お魚生活すすめ隊の体験イベントも交流人口を増やしたほか、安岐水産の認知も企業価値も向上。「ウラツダ」エリアにも様々な店舗の出店計画が進むなど、新たな賑わいも創出しました。























