一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランディング事例 >株式会社田中組(新潟県)
新潟の企業グループ「ファムらいふ」と建設会社「田中組」のブランディング
2025年度BRAND MANAGEMENT AWARD 準大賞・優秀賞受賞


「新潟の企業グループ『ファムらいふ』と建設会社『田中組』のブランディング」は、倒産寸前だった建設会社が地域に愛される企業になるまでのブランディング事例です。新潟県の建設会社の田中組は、介護、不動産事業の関連会社も持ち、地域に根付いた企業を目指していました。ただ、10数年前は負債を抱えて倒産寸前に。現代表の田中氏が会社の再生と社内改革を進めました。
田中組には3つの課題がありました。1つは、建設、介護、不動産の3社の統率が取れていないこと。2つ目は官公庁の仕事が9割ということ。3つ目は採用で、従業員の平均年齢は50.3歳、20代は社長含めて2人、女性は1割未満で、採用ができていない状況でした。これらの課題を解決するため、ブランディングに着手。「建設業をサービス業に変えたい!」という思いのもと、改革を進めていきました。
まずは、内部の意識改革に着手。全員を同じベクトルに向かわせるため、ホールディングス名を決める社内総選挙を実施しました。そこから、ブランド・アイデンティティは「家族のようなおつきあい。LIKE A FAMILY HEART」に決定。ホールディングス名は「ファムらいふ」グループと命名し、キャラクター「ふふ丸」も作成。3つの業種を「家族愛」というキーワードで束ね、「トータル建設サービス業」という独自のポジションを目指しました。
コミュニケーション戦略は、「非営利」「営業しない」「宣伝しない」戦略を立案。「家族のようなおつきあい」を浸透させるべく、3つのユニークな戦略を実践しました。1つ目の「ふふ丸看板戦略」では看板を350か所以上設置し、局地的な知名度を獲得。また、社内ブログを9500本以上更新し、顧客との関係性や社内コミュニケーションを円滑にしました。さらに、広告要素を排したオリジナルの絵本「ふふまるふふふ」も作成して保育園などに無料配布し、長期的な認知獲得を狙いました。
ブランディングの結果、官:民の売り上げの割合が逆転。売上高は、2020年以降は常に20億円を超え、当初から約10パーセントの売り上げ増を達成。採用面では、新卒社員が毎年3名ずつ入社するようになったほか、平均年齢が5歳以上若返り、20代は7倍に、女性就業率は業界平均を上回る42.1パーセントになるなどの成果を生みました。















