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ユニクロ発、ステテコカテゴリー自体のリブランディング
2025年度BRAND MANAGEMENT AWARD 優秀賞受賞


「ユニクロ発、ステテコカテゴリー自体のリブランディング」は、市場が縮小傾向にあった日本の伝統的下着「ステテコ」をカテゴリーからリブランディングした事例です。ブランディング以前、ステテコ市場は縮小傾向にあり、ユーザーは年配男性に限定され、時代性ともミスマッチという状況にありました。
こうした中で、「ステテコというカテゴリー自体の再定義」を目指しブランディングに着手。「若年層への啓蒙」「“おじさん下着”からの脱却」「海外でも売れる必要性」という3つの課題から、楽しくかっこいいファッションアイテムとして位置づけるという定性的変化と、夏の定番アイテムとして市場に定着させ、販売数と市場規模の拡大を図り、新しいマーケットを作っていくという定量的変化の2つのゴールを設定しました。
まずブランド・アイデンティティは「夏を快適に、かっこよく過ごせる、新しいルームウェア」と再定義。ブランド要素は、色は日本の伝統と夏の清涼感を象徴するネイビーを採用し、文字はユニクロオリジナルの書体で「STETECO」と表現しました。
機能的価値では、スリットやポケットの追加、機能性素材の採用などにより清涼感と本質的価値を向上。情緒的価値では、楽しくかっこいい印象を与えるために全80色柄を展開し、アニメーションやアーティストなど幅広いカルチャーとコラボしました。
さらにコミュニケーション戦略は、「イメージ刷新」と「履き方の啓蒙」という2つの軸を設定し、「ステテコを新しく。ユニクロのステテコ」というコピーを開発。ステテコ刷新そのものをニュース化し、父の日には『ステテコニュース』と銘打った新聞広告を出稿。店内では「ステテコBAR」を設置し、店員がバーテンダーのように最適な色柄や履き方を提案する情報発信拠点を設けました。
こうしたリブランディングによって経済効果は前年比428%という異例の大ヒットを記録し、事業継続が決定。翌年以降は参入プレイヤーが急増したほか、女性が自分用に買っていくという現象も生まれ、「RELACO(リラコ)」という女性向けステテコの展開にもつながりました。




















