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一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > スペシャルインタビュー >今関尚子氏

“資金ゼロ”から累計1万4,000人動員のイベントを実現

ママフェスまつもと実行委員会 代表/株式会社ウェブエイト ディレクター 今関尚子氏

【プロフィール】

ママフェスまつもと実行委員会 代表
株式会社ウェブエイト ディレクター 今関尚子氏

一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 トレーナー認定コース受講者

1982年、長野県松本市生まれ。専門学校卒業後、リゾート施設運営会社勤務を経て、株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。長野県全域において求人情報誌及びインターネットサイトを活用した中途採用・アルバイト採用のコンサルティング営業を担当する。ブライダル事業部(ゼクシィ)に異動した後、長野県東北信エリアにおいて子育てフリーペーパーの立ち上げに参画。創刊初年度から2,000人、5,000人規模の集客を実現したイベントの企画、設計を担当する。その後、株式会社ウェブエイト入社。ディレクターとしてウェブ施策のプランニング、ウェブマーケティングを用いたクリエイティブ制作、集客施策の提案を行っている。


聞き手:一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 ディレクター 能藤




2019年度ブランディング事例コンテストで奨励賞を受賞した、「ママフェスまつもと」の“イベントブランディング”について、実行委員会代表の今関尚子氏にお話を伺いました。大型商業施設の開業などで近年は中心市街地への客足が減少していた、長野県松本市。空き店舗が増加し、イベント縮小などの悪影響が懸念されていた状況で、普段は会社員として働く“ママたち”―子育て中の女性―が力を合わせ、子育て世代がまちを回遊するイベント「ママフェスまつもと」を開催。資金ゼロ、専属スタッフゼロから始まったイベントながら、これまでに1万4,000人を動員するなど大きな成果をあげました。そして2020年、コロナショックでリアルイベントが中止になって行った施策とは?




「市街地活性化」と「女性の活躍」を目指して

聞き手

イベントは軒並みコロナの影響を受けていますから、「ママフェスまつもと」もたいへんだったのではないかと拝察します。後ほどその辺の取り組みのお話も伺えればと思いますが、まずは、「ママフェスまつもと」とはどんなイベントか、というお話から始めたいと思います。


今関

はい、よろしくお願いします。「ママフェスまつもと」は、一言で言うと「松本の中心市街地の複数の施設にコンテンツを配置し、“ママと子ども”がまちを回遊しながら楽しむ」というイベントです。イベントアイデンティティは「街と人とメディアが1つになってママと子どもと楽しめる1日を作ります!」とし、これまでに2018~19年の6月と11月に計4回実施しています。


聞き手

どのような目的でイベントを開催したのでしょうか。


今関

「松本駅前の活性化」と「女性の活躍」です。まず「駅前活性化」について。松本市は本来、高いポテンシャルを持っていると思っています。成長可能性ランキング(※1)で総合順位で全国8位になり、今後の「伸びしろ」では全国6位になったこともあります。さらに松本城や上高地を始めとして、もともと観光資源にも恵まれています。実際、国内外からの観光客数も多く、長野県有数の観光地になっています。
しかし近年、松本市街地では全国展開している大型商業施設の開業などもあり、松本駅周辺の子育て世代向けの商業施設や大型店舗が相次いで撤退しています。人の流れに変化が起き、特に子育て世代の市街地離れや、県外資本の大型モールへの人の流れが加速していると感じていました。また、商業施設の郊外化で、子育て世代を中心とした若年層の松本市中心市街地への客足が年々減少し、空き店舗も増加しています。こうした状況をみて、「このままでは、私たちが好きなまちの姿がどんどん変わってしまうかもしれない。各イベントの縮小など、さらなる悪影響をきたす可能性があるかも」と懸念を抱きました。

※1 成長可能性都市ランキング 調査主体:株式会社野村総合研究所。2017年7月5日発行。国内100都市の成長可能性をランク付けしている。


聞き手

郊外化が進む中で中心市街地へ子育て世代の客足を戻そうとされたわけですね。では「女性の活躍」は?


今関

働き方改革の流れで、子育て中の女性でも「自分らしい働き方」を目指す人が増加傾向にあります。とはいえ、小さな子どもを抱えていると、正社員としての雇用はまだ難しい面もあります。ただ一方で、自分の「得意」「好き」を活かした作家活動や作品作り、講師業で活躍している方も多くいます。ですが、趣味ではやっているけど、販売まではハードルが高い、と感じる方も多かったので、このイベントで最初の一歩を踏み出してもらえたらと思っていました。はじめての名刺、はじめての自分のブランド名、はじめてのお客さんの笑顔。そんな「活躍の場」「自己表現の場」「承認の場」を作ることで、女性がやりがいを感じ、活き活きとした人生を歩めるのではと考えました。そうした流れで、松本で育ってきた社会人であり母親である私たちで実行委員会を立ち上げたんです。


聞き手

イベントは「市街地活性化」「女性の活躍」の両方を達成できる最適な手段だったということですね。


今関

はい。これからこのまちで生きていく私たち若い世代や、次世代を担う子どもたちが街中を歩くことにより、商店街のみなさんやと事業者のみなさんとの接点が創出され、あとは自然に経済活性化が期待できます。歩けば、お気に入りが見つかる、松本は歩いて楽しいまちなので。また、家族と市街地で過ごした楽しい記憶は、きっと子どもたちの中で生き続けていくと思うんです。
「地元が好き」「地元が誇り」という気持ちは、その子の強さになり、様々なものから守ってくれると思うんです。19歳の春に松本駅から旅立つ子どもたちに、このまちを誇りに思ってほしい。その誇りが、いつか彼らの心の盾になり、支え、踏み出す力になる。なので、そんな背中を見せられるように、頑張らなきゃなぁと思ってます。背中を押せる、背中でありたいですね。


聞き手

イベント開催までに、どのようなことを行ったのでしょう。


今関

イベント主催メンバーでブランディングに取り組みました。また、サポートメンバーに対するステートメント共有会や、クライアントや協賛企業向けの共有会も実施しました。それにより、関係者間で意識の統一が図れたほか、共通認識が生まれ、イベントの準備・進行がスムーズにいくようになりました。


聞き手

具体的なブランディングの取り組みについて教えてください。


今関

3C分析を行い、私たちの強み、代理店・地元メディア、このまちで子育てするママのニーズを確認しました。また、ブランドロゴも作成しました。これは「大自然に囲まれた街」を表す緑と青、「クリエイティブなメディア」を表す水色、「躍動する人」を表すピンク、という色がすべて重なり合い、寄り添い、混じっている様子を表現しています。イベントロゴでは3つの丸で、3つの会場と松本の山々、そこに寄り添う親子を表現し、ブランドメッセージは「このまちの子育てを、もっと誇れるように」としました。





聞き手

どのようなペルソナを設定されたのでしょう。


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