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一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > スペシャルインタビュー > 加藤 洋一氏

「強い主張」と「クロスメディア」で
売り上げ増やブランド構築を実現
LTVを最大化する“USPマーケティング”とは?

株式会社U.S.P加藤 洋一

Profileプロフィール

株式会社U.S.P 顧問・社外宣伝部長®

USPコンサルティングや広告制作などを手掛ける株式会社U.S.P(ユニークセリング・プロポジション)の顧問、社外宣伝部長。
ロッサー・リーブス氏の提唱するUSPを研究・応用した「USPマーケティング®」を開発。
USPにおける日本の第一人者で、2023年10月に著書『高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」』(ミチテラス出版)を上梓。

高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」

高額受注が続く不変のマーケタースキル
「USPマーケティング®」

米国の広告の巨匠ロッサー・リーブス氏が提唱する「USP」を応用した“USPマーケティング®”が注目を集めています。
USPを軸にクロスメディア戦略を展開。
短期的には売り上げアップを達成、中長期的にはブランドも構築できるというUSPマーケティングを行ううえで重要なポイントとは?
USPマーケティングの第一人者であり、今年10月に著書『高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」』を出版した株式会社U.S.P の加藤洋一氏にお話を伺いました。

“USPマーケティング”とは

Q. 今回は、今年『高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」』を出版された加藤さんに、提唱されている「USPマーケティング」の内容やブランディングとの関係についてお伺いできればと思います。
まずは、加藤さんのこれまでのクライアント支援や実績を中心にご経歴を教えてください。

これまで約25年にわたり、中小企業のマーケティング支援を手掛けてきました。
自著についてお話をすると、まず、米国の広告の巨匠であるロッサー・リーブス氏がUSPの定義を記した唯一の著書『リアリティ・イン・アドバタイジング』の監訳本を出させていただいたんです。
その前後にUSP関連の著作を6冊ほど出版し、今年10月に、2008年に出版した処女作『御社の売上を増大させるUSPマーケティング®』(明日香出版社)に加筆・修正した改訂版『高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」』を出版しています。

USPと出会う前をざっと振り返ると、まず1999年にウェブ制作業で起業し、2002年ごろに「ダイレクトレスポンスマーケティング」に出会って仕事に取り入れていきました。
そうしたら、著名なマーケターの方々が「USPが大事」と話していて、気になってUSPについて調べていったんです。
それからは、制作への興味が薄れていたこともあってウェブ制作会社の営業権を売却し、マーケティングコンサルの道に入りました。
以降はコンサル1本でやっています。
コンサルをするうえではリアル系の施策を取り入れていかないといけないので、いわゆるチラシや紙など、リアルのマーケティング施策に取り組み、USPを軸にあらゆる制作物で実践を繰り返して成果を探求していったという流れです。

Q. 「USPマーケティング」ついてお伺いしたいと思います。
まず「USPマーケティング」の基本的な考え方を教えてください。

そもそも「USP(Unique Selling Proposition)」とは何かと言うと、ロッサー・リーブス氏は3つの原理原則を定義しています。
1つ目は「手垢のついていない強い主張をせよ」、2つ目は「競合が主張していないことを主張せよ」、3つ目が「ターゲットの潜在ニーズ、または競合の主張以外でターゲットが強く関心のあることを主張せよ」です。

リーブスが定義したUSP3つの原理原則

補足すると、2つ目については、本当は「競合が主張しようとしてもできないことを主張せよ」と言っているのですが、これはあまりにも難しいので、ちょっと軽く表現しているんです。
これは内部の仕組みづくりにも連動することなのですが、ここの部分に経営資源を投下している中小企業はあまり見たことがありません。
3つ目は、いくら他社が言えない強い主張、手垢がついていない主張を言っても潜在ニーズがなければだめ、ということですね。

これが3つの原理原則で、このほかにもう1つ、書籍の中でリーブス氏は浸透率、牽引率という言葉も挙げています。
これらは、市場やお客様の心の中でクライアントの商品がどれだけの割合を占めているかを表した数値で、この浸透率、牽引率を高めるためには先ほど挙げた3つの条件が大事だとリーブス氏は語っています。

USPマーケティングとは

そして「USPマーケティング」の具体的な内容ですが、第1段階はUSPの作成です。
具体的には、メッセージ開発(USPの効いたキャッチコピーのこと)。
そして浸透力、牽引力を最大化するためにクロスメディアで展開していきますので、たとえば「リアル×ウェブ」が最適だとしたら、中小企業の場合であれば、低予算でどう牽引力を高められるか立案し、プロモーション戦略を立てる……という流れです。
つまりUSPの作成、プロモーションのプロセスを総称して「USPマーケティング」と言っているわけです。

では、このスキルを身に付けることでどのようなメリットが得られるのか。
ここでは、マーケティング支援者と、その先にいるクライアントの両者についてお話しします。
まずマーケティング支援者としての利益や価値ですが、これは当然、クライアントの成果を出す確率を上げられることです。
もちろん完璧ではありませんし、失敗もたくさんしてきましたが、ヒットの打率は上げられると自負しています。
当然その結果、付加価値として受注が増える可能性もあります。
そして最も大きな成果は、ライフタイムバリューですね。
実際、USPを取り入れて以降、クライアントとのお付き合いの期間は非常に長くなりました。

一方、クライアントのメリットは、ブランドができること。
短期的な集客や売り上げアップはもちろんですが、中長期的にはブランドを構築できるわけです。
いわゆるブランディングに非常に効果的なので、収益の持続性が最大化できるのではと考えています。

Q. 「USPマーケティング」を実践するうえで最も重要なポイントは?

重要なポイントは、「創業者のDNA」の影響を考慮した取組みです。
「組織風土」というものは結構ここに影響を受けていて、そこから「コアプロセス」、つまり競争優位性を発揮するプロセスを作り出しているケースが多いんです。
だから創業者のDNA→組織風土→コアプロセスというものがまずあって、この三層構造の上に、最後に強い主張であるUSPメッセージがある。
そういった四層構造になっていないとうまくいかないと思います。
逆に言えば、これができていればうまくいく、ということですね。

コアプロセス

Q. 現代のマーケティング支援者が直面している課題についても教えてください。

マーケティングの内容がすごく複雑化していることではないでしょうか。
成果を出すためには様々な知見や多岐にわたる取り組みが必要ですし、ツールも使いこなせなければいけません。
非常に複雑化していると感じます。
たとえば、リアルではチラシ、フリーペーパー、看板。
ウェブ系ではSNS、WEB広告関連、YouTube……と本当に多岐にわたっていますので、それぞれの分野の専門家に頼らないと厳しい部分もあると思いますね。

そこで重要なのは、上流に関わること。
企業の規模感にもよりますが、大規模なら事業単位で、中小企業であれば経営者目線で関わることが必要です。
企業の向かっていく方向性やビジョン、経営戦略、経営課題はすべて複雑に絡み合っていて、マーケティングだけの課題では解決できないケースが多い。
内部の仕組みづくりや人材、財務などまですべて絡み合っているわけですね。

USP活用で世界的ブランドやロングセラー商品に

Q. 世界的ブランドや大ヒット商品でUSPが効果的に活用された事例を教えてください。

リーブス氏が手掛けた最も有名なキャンペーンは、米国のM&M’Sチョコレート の事例です。
ここでリーブスは先ほどお話しした3原則に沿って「お口でとろけて、手にとけない」という主張をしました。
これが起爆剤となり、世界的なブランドに転換したと言われています。
または、掃除機メーカーのダイソンの事例があります。
ダイソンはUSPの原理原則に則り、「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機。」という主張を展開して高価格帯のブランドとしてマーケットを開拓し、成功を収めました。

ダイソン事例
御社の売上を増大させるUSPマーケティング~ウリ力(りょく)を強化する差別化戦略~ /明日香出版

私が関わった国内企業の成功事例としては、リフォーム業のニッカホーム様のケースを挙げたいと思います。
同社は今や名実ともに日本一と言っていいリフォーム会社だと思いますが、私が作ったUSPを今も使っていただいています。
具体的にどのようなUSPかと言うと、「他社とは違う!ニッカホームはこだわりの自社施工」です。
リフォーム業は受注後の施工は外注するのが通例ですが、同社は職人を内製化しており、それが持ち味で強みだったんです。
だから、そこをストレートに訴求したわけです。
この「自社施工」という主張は、現在の同社のウェブサイトでも使われていますね。

ニッカホーム事例
出典:高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」ミチテラス出版

ほかには、工具メーカーの事例も挙げられます。
ここでは、つぶれたねじを外せるという特徴を持った工具「ネジザウルス」を、「ネジザウルスならいろんなネジが外せます」と主張したんです。
年間1万本売れたら大ヒットという工具市場で、この工具は累計500万本を売る大ヒットロングセラー商品になりました。

ネジザウルス事例
出典:高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」ミチテラス出版

あとは、人工芝メーカーの事例。
このメーカーの人工芝は復元性が特徴でしたので、「日本一つぶれないから、ずーっとふわふわ!」というUSPを使ったんです。
このメーカーも、短期間で人工芝のトップブランドに成長しています。

人工芝メーカー
出典:高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」ミチテラス出版

Q. USPとブランド・アイデンティティの違いはなんでしょう?

USPは、ブランドの要素としてはキャッチコピーに該当すると思います。
ただ、説明するときは「USPメッセージ」や「USPの効いたキャッチコピー」と言っていますね。
そうは言っても、ブランドとしての約束、いわゆるブランド・プロミス的な要素も含んでいますので、強い主張をすればするほどインターナルブランディングにも効くと考えています。

経営者目線を持ったコンサルティングが重要に

Q. マーケティング支援者としての立ち位置と、進化の必要性についてお伺いします。
企業の業績を上げるためのマーケティング支援者としての役割とは?

現場に何十年も立ち続けている観点から言うと、今後は社内外問わず、垣根がどんどんなくなっていき、業務委託などが盛んになるでしょう。
そうすると、マーケティング支援者はいわゆるプロジェクトマネージャーのような役割を求められるのではないでしょうか。
そういった能力を磨いていかなければ難しいのではないかと思います。
そこで必要になるのは、コンサル的な提案営業やディレクターとしてのディレクション能力、そしてマーケティングのコンサルティングです。
同時に、各ステークホルダーに対して深く寄り添えるコミュニケーターでありつつ、カウンセリング、コンサルティング、ビジョンやチームに対するコーチングなどもすべて対応できるようにならなければいけない、と思っています。

Q. ウェブとリアルのマーケティングはどのように組み合わせるべきでしょうか?

地域密着型ビジネスの場合と、全国が商圏のメーカーの場合に分かれると思いますが、いずれにせよ、YouTubeとの組み合わせが最強だと考えています。
まず地域密着型の基本はいまだにリアル系で「チラシ×フリーペーパー」。
そこにウェブを組み合わせて「YouTube×MEO×リスティング」という掛け算が重要なのかなと思います。
USPマーケティングの場合、もともとマス広告の手法だったこともあり、YouTubeと相性がいい。
地域密着型でコマーシャルを浸透させられるので、非常に効きますね。

今は千葉のとある場所にオープンしたキャンプ場の案件を手掛けていて、「商業施設に近い」という主張をしています。
つまり「忘れ物をしても大丈夫、気軽に来られる」ということですね。
メーカーの場合は、中小企業もYouTubeは必須だと思います。
メーカーは地域密着ではありませんので、たとえばウェブ系はYouTubeにいろいろなタイプのウェブ広告の掛け算、リアル系は、セールスプロモーションとして展示会やイベントを掛け算というのが基本的な組み合わせになるのではないでしょうか。

Q. 企業やクライアントが陥りがちな悪癖思考や誤解はありますか?

自社の持ち味を見ずに競合に引っ張られてしまうことですね。
とはいえ、そもそも自分たちでは持ち味がわからない場合が多いので、我々マーケティング支援者がクライアントの鏡になってあげないといけないんです。
よくあるのが、戦略レベルで間違いを起こしていること。
いくら一生懸命google広告を打ったところで、戦略が間違っていたら収益は出ません。
では成功確率が高いのは何かと言うと、やはり先ほどもお話しした「企業のDNA、組織風土、コアプロセスを生かした新規プロジェクト」です。
我々もそこについてのナビゲーション、アドバイスをするようにしています。

Q. 高額受注を継続的に得るための戦略やアプローチを教えてください。

中小企業を対象にした場合という前提になるかもしれませんが、経営者目線で経営戦略に寄り添えるコンサルティング力だと考えています。
もちろん、会社の規模によっては経営者ではなく事業の責任者の場合もありますが、とにかく経営者目線で、経営戦略に寄り添えるコンサルティング力が必須になると思います。
マーケティング以外の因果関係、具体的にはコアプロセスの開発や育成というのはすごく重要な経営課題なので、こうしたマーケティング以外の因果関係を理解したうえで戦略アドバイスや課題解決に対するプロジェクト提案ができて、さらにフィードバックの“F”を入れた“PDCFA”を回せる力量が必要ですね。

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出典:高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」ミチテラス出版

中小企業の持ち味に光を

Q. これからのマーケティング支援者へ最も伝えたいメッセージは?

やはり中小企業のクライアントが多いので、中小企業の個性、オリジナリティといった「中小企業ならではの持ち味」に光を当ててあげてください、ということですね。
それこそが「USPを出す」という行為だと思いますし、そういった支援者が増えればいいなと思っています。

Q. 加藤さんの今後の活動について教えてください。

株式会社U.S.Pの社長は妻に譲りましたが、現場はセーブしながらももちろん続けますし、もし私の経験がお役に立つようであれば、後進の方や育ててくれたマーケティング支援者の方たちのサポートができればと思っています。
実は今も、印刷会社のサポートをさせてもらっていますが、そういったところのサポートももう少し積極的にやっていこうかなと考えているところです。
ちなみに、この印刷会社では私は顧問を務めているのですが、現在は過去最高益を出しているんです。
ポイントは人材で、東京の営業所の方々にUSPマーケティングのノウハウをお伝えしたら、スーパー営業マンになりました(笑い)。
彼は新人だったのですが今は取締役にまでなりました。
また、私のUSPマーケティングの弟子にあたる方も、今は観光業界で大活躍されているんです。
そのような方たちをもっと増やせれば、USPマーケティングを実践できる数はもっと増えるのかなと思っています。

「スペシャルインタビュー」を読んでいる方に最新刊を無料でプレゼントしています。
是非USPマーケティングに触れてください。

高額受注が続く不変のマーケタースキル「USPマーケティング®」

◆詳しくはこちらから
https://skill.usp-marketing.com/p/uspbook_bm

◆加藤洋一公式サイト
https://katoyoichi.com/



※掲載の記事は2023年11月時点の内容です。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。

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