一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > ブランド・マネージャーとは > ブランド用語集
ブランドに関する用語は、同じ言葉でも研究者や実務家など定義する人によって異なる意味を持つ場合が多々あります。この用語集では、一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会としての定義をご紹介します。
ある特定の商品やサービスが消費者・顧客によって識別されているとき、
その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ
※製品名、パッケージング、広告、価格、使用経験などにより、その製品につけられた製品特性と価値
(機能的および非機能的)とのユニークなコンビネーション。
消費者・顧客の目から見た場合、その製品を競合から差別化するもの。
※ アメリカ・マーケティング協会の定義によればブランドとは
「ある売り手あるいは売り手の集団の製品およびサービスを識別し、競合他社の製品およびサービスと
差別化することを意図した名称、言葉、シンボル、デザイン、あるいはその組み合わせ」
であるが、それらはブランド要素と呼ばれるものである。
意図したブランド・イメージを消費者・顧客が抱くように、戦略的にアプローチしていくこと、
またはそれらのアプローチを設計すること。
※ブランディングとは単にブランドの認知を図るだけではなく、製品の購買に繋がる消費者・顧客のニーズと
連結する適切なブランドイメージを消費者・顧客に抱いてもらうことである。
ブランドの役割の定義。
※具体的には、どのような競合製品に対応し、どの消費者・顧客のどのようなニーズを目標とするかということ。
ブランドポジショニングの定義は、ブランドの存在理由を述べることにある。
すなわち、消費者・顧客の目にそのブランドの方が他のブランドよりなぜ良いのか、
なぜ違っているのかを提示するもの。
これはブランド戦略における他のすべての要因を構築するための基礎となる。
※ブランド戦略をつくることは、基本的にはブランドの長期的な位置づけと、
市場における短期的な目的の双方との関連の中で、特に目標設定とその優先順位の設定に関連する。
長所をさらに伸ばすようにするのか、または短所を改善することに努力するのか、
動機づけのアピールを強めるのか、差別化要因を際立たせるのかなど、
ブランド戦略はブランドのすべての側面、すなわち流通からパッケージング、成分から広告までを計画する。
そのためブランド戦略はマーケティング計画と密接な関連性を持つ。
消費者・顧客の購買行動に影響を与えることを意図してブランド構築を行うこと。
※言い換えると「ブランディングのプロセスを管理する」ことである。またブランド資産の管理も含む。
ブランド自体およびそれに関連するすべての要因(機能的および非機能的)により、
消費者・顧客のココロに作られるトータルな印象のこと。
※この言葉は非常に広範な意味合いで使われているので、
ブランド・パーソナリティ(個性)、
ブランド・ポジショニングまたはアティチュード(態度・意識)
などの言葉と、より明確に使いわけた方がよい。
※ブランド・イメージは消費者・顧客の心象であるため、その消費者・顧客がもつ認知バイアス
(思い込みやアンカリング)に影響を受ける。
ブランドが持つ「厳しい」「優しい」「穏やか」などの人格的な属性のこと。
ブランド・イメージやブランド・アイデンティティを人間をメタファーに表現したもの。
※ブランドはパーソナリティ(個性)を持つ。有名ブランドの個性には一貫性がある。
定性調査における典型的な質問は、「もしこのブランドが人間だったらどんな人か?」というものである。
成功しているブランドは製品、パッケージ、コミュニケーションという要素すべてを統合して、
単一で、ユニーク、首尾一貫したパーソナリティを形成している。
またこの場合、ブランド・パーソナリティは人々のニーズに応えるものであり、競合とはっきりと区別される。
企業が自社の製品・サービスが競合他社の製品・サービスとどこが違うかを明確に示すもの。
※言い換えれば、企業が消費者・顧客にその製品・サービスを「どう思ってほしいか」のこと。
「消費者・顧客がどう思うか」というのは「消費者・顧客がどこが違うと思うか」ということであるが、
購買行動に繋げるためには競合製品・サービスとの差異が消費者・顧客にとって意味あるものである必要がある。
つまり、差別化ポイントはニーズと連結している必要がある。
そのブランドが保証している(と消費者・顧客が思う)品質、機能あるいは価値。
※ブランド・プロミスはステートメントのような明示的な形をとることが多いが、
消費者・顧客が実際にブランド・プロミスとして受け取るのは、さまざまなブランド要素からである。
一つの製品を他の製品と差別化し、製品よりむしろブランドを形成するための役割を担う、付加的な特徴のこと
※例えば、洗浄力が同程度の洗剤ブランドが2つあるとする。
一方はやさしい心配りにあふれたお母さんのような感じの製品として受け入れられている。
もう一方は効率的で、粗雑で、実用的な感じを持たれている製品かもしれない。
この付加価値はブランドの価値と呼ばれることもあり、ブランド・パーソナリティと関連がある。
消費者・顧客がブランド要素に接した際にブランドを思い出すこと。
消費者・顧客の心の中でニーズが発生したときブランドを思い起こすこと。
※ブランド再生にはブランド要素の刺激は必要ない。
※ブランド要素の主な機能は「ほかの商品・サービスと区別する手段」である。
これはロゴやキャッチコピー、パッケージなどさまざまであるが、重要な点はそれらのブランド要素が
一貫したブランドイメージを与えることができるよう設計/運用管理することである。
ブランド再認やブランド再生を経てブランドを想起すること。
マーケティングのターゲットのうち、まだ購買していない客のこと。
※ターゲットグループ/ターゲットオーディエンスについてあらゆる人に同等の影響をおよぼす広告は
ほとんどないといえる。
よい広告プランニングとは、もっとも反応しそうな人々に対して広告を発信することを意味する。
ターゲットグループの定義づけで明確にすることは、
「なぜこの人々にわたしたちは語りかけるのか?」ということである。
それは彼らの行動および考え方を考慮した上で、彼らを対象者として選定した理由でもある。
マーケティングの観点からいえば、ターゲットグループは人口統計的ないし製品仕様などの点から定義づけられる。
例えば、あるブランドをときどき使うが、むしろ競合ブランドを好む傾向のある25~44の主婦など。
媒体ターゲットとして考慮する場合は媒体別の定義をする。
例えば一日にテレビを見る時間が長い視聴者や女性誌の読者など。
またクリエイティブ表現を目的とするターゲットグループの定義は
個人的な性格、行動、態度、意識、望みなど具体的な点から特定する必要がある。