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武川トレーナーが特許庁管轄 INPIT 知財総合支援窓口のブランド専門家として260年以上続く老舗酒造メーカーの海外進出に向けたコーポレートリブランディング支援を実施

福井県/久保田酒造合資会社(特許庁 INPIT知財総合支援窓口)

 弊会シニアコンサルタントでもある武川トレーナーが、特許庁(INPIT)のブランド専門家として、福井県坂井市にある老舗酒蔵、久保田酒造様の海外進出に向けたコーポレート・ブランドの再設計を支援しました。相談時には、既に海外への輸出ベンダーを通じ一部開始していたが、更なる市場拡大を考え、キチンとブランディングを行い飛躍するチャンスを模索していた。
 11代目社長となる久保田直邦氏は、流行りのお酒に流されることなく昔ながらの手間のかかる伝統製法にこだわりをもって製造するも、その魅力を消費者に伝えることが限定的だったため、知る人ぞ知る名酒と化していた。更に海外市場への本格進出となると、単なるモノとしての価値では伝わらず、既にシェアを持っている他の日本酒メーカーとの差異には至らない。そこで、同じ土俵で戦うのではなく新たなフィールド(新たな日本酒の消費価値概念)を創造し、消費者に新しい消費価値基準を持ってもらう取組をスタートした。

 取組では、260年続いている歴史の裏付けや経営理念における哲学をベースに機能的、社会的価値を定め、人がお酒を拠り所とする心理背景やお酒によって得られる(得たい)効能や便益は一体何かなど情緒的側面を喜怒哀楽に沿って深層心理にあるニーズを鑑みなが価値軸を決め、久保田酒造らしいお酒のあらたな消費価値基準を設計することができた。これらをベースに、ブランドの中核となるアイデンティティを設計したことで、消費者に伝えるべきメッセージの核が形成。あとは、「魅せかた」の手段だけとなる。

 協会のブランド構築メソッドを経て、自社を「見える化」することができた。実はプロセスにおいて、自社を客観視することが何よりも一番難しい。ブランド構築では、カッコいいロゴやネーミングを考えることに執着してしまう企業が多い中、久保田社長も当初は同じ考えだった。しかし、表層的なブランドを作っても全く意味はなく、たまたまデザインが良く、瞬間風速が上がることもあるが、それはあくまでも一過性。本物のブランド創りにはプロセスが大事であることを説明し、理解を深めたところで共同作業が始まった。一段一段踏みしめて、生み出した自社のブランドには、愛着が生まれる。そのブランドは、久保田社長を筆頭に社員の方々、外部デザイナーや地元の経営専門家も交え取組んだ成果の賜物。大事に育てて頂きたい。
 最後に、ビジネスにおいてブランドは創るだけではダメ。そのブランドをどう魅せるか=「魅せる化」が重要。知的な財産(知財)となるブランドを武器に、限られた経営資源の中で最も効果が期待できる海外市場戦略に向けた攻め方の組立がこれから始まる。