一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > インターナルブランディング勉強会 > 第1回インターナルブランディング勉強会
2023年07月31日事例内容 株式会社近鉄ロジスティクス・システムズ様におけるインターナルブランディングの事例
日時 6月7日(水)15時~17時30分
開催方法 オンライン(Zoom)
参加者 30名
登壇者
発表者
ブランド・マネージャー認定協会 IBシニアコンサルタント 武川 憲
株式会社近鉄ロジスティクス・システムズ 営業本部次長 伊勢 将孝 様
パネリスト
産業能率大学 名誉教授 城戸 康彰 先生
ブランド・マネージャー認定協会 理事・IBカリキュラム編集委員 佐々木 研一
ブランド・マネージャー認定協会 理事・IBカリキュラム編集委員 島田 良
司会進行
ブランド・マネージャー認定協会 代表理事 岩本 俊幸
■事例発表
世代交代と組織変革を実現するためのインターナルブランディングとは?
今回の勉強会の事例は、物流やロジスティックサービスを提供する近鉄ロジスティクス・システムズ(KLS)様のインターナルブランディングです。同社は「絶対品質」と経営層の強力なリーダーシップによって急成長を遂げてきた一方、「次世代の経営を担うべき人材の欠如」という課題を抱えていました。そこで次期経営層となる次世代メンバーを選別し、組織風土改革に取り組むリブランディング・プロジェクトを行いました。
武川氏の事例発表は、以下の通りです。
KLSのインターナルブランディングは、準備フェーズ、実践フェーズ、定着フェーズの3つに分かれます。
準備フェーズでは、まず選出した精鋭メンバー12人を対象にブランド・マネージャー認定協会の養成講座ベーシック講座を合宿形式で実施し、プロジェクトメンバーの知識を平準化。次にブランド・アイデンティティの構築のプロセスとして、同協会のブランド構築の8つのステップの1から5に取り組みました。まずは環境分析を行って仮説市場機会を創出し、「サプライチェーン改革により経営改革を考える成長企業」とターゲットを選定。こうした過程を経て、KLSの「『絶対品質』で期待を超えて感動を与える『みせる』ロジスティクス」というブランド・アイデンティティを整理し、「絶対品質」「みせる」という言葉を丁寧に言語化しました。さらに理念体系も刷新したほか、ブランドエンゲージメント診断を実施し、実際にプロジェクトに取り組む営業所を選定しました。
こうした準備フェーズを経て、実践フェーズに着手。ブランド・ビジョンの策定に取り組みました。まず、新たに加わったメンバーに短期集中の研修を施して認識を共有したうえで、再びメンバーを結集させてポジティブシナリオをベースにした顧客目線でのブランド・ビジョンを策定。こうして浸透活動に必要な新経営理念体系図や策定したブランド・ビジョンを整えたうえで、浸透活動の本番を前にメンバーの不安を軽減するため、10営業所を対象に周知・浸透に向けた疑似演習を実施しました。このようなプロセスを経て、プロジェクトメンバーによる周知浸透活動をスタート。プロジェクトメンバーをコアアンバサダーとし、ブランドエンゲージメント診断の結果が良かった営業所から1回目の浸透会を開催しました。
最後に定着フェーズです。理想と現実のギャップを認識し、阻害要因を確認したうえで課題を策定。重要度や容易度を確認し、具体的な手段を講じる「シンボル・プロジェクト」を実施していきました。ここではメンバーを安心させるために「アーリー・スモール・ウイン(早期の小さな成功体験)」の形を重視。シンボル・プロジェクトは、コアアンバサダーが進捗を管理し、良い点は横展開して悪い点はどこに問題があるかをチェックしつつ、他の営業所と情報共有しならがプロジェクトを進行させました。
こうした顧客視点を追求するプロジェクトを進めた結果、それまでの利益中心の思考から、KLSでは現在、アンバサダーメンバーがブランドの大切さを説明する光景が日常的になるなどの変化が見られています。今後もこのような風土を大切に育み、企業文化として定着することを期待しています。
開催内容の詳細は、詳細は、Me:ikuよりご確認いただけます。
https://www.brand-mgr.org/meiku/2023/07/25/internalbranding/
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