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一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 > スペシャルインタビュー > 竹井 啓氏

「中小企業こそ商品開発の“型”が必要である」
“知的財産”の観点を踏まえたニッチ戦略とは

Tate&Hoco IP Branding竹井 啓

Profileプロフィール

Tate&Hoco IP Branding代表
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 スタンダードトレーナー/プラクティショナー

大学院卒業後、京セラ株式会社法務知的財産本部にて従事し、その後2019年に独立。
独立後は中小企業のブランド構築&知的財産活動を支援。
特にオリジナル製品をつくる、中小規模のモノづくり企業のブランド構築を得意とする。
知的財産権の取得を行う単なる代理業(特許出願や商標登録出願の代理手続)ではなく、誰にどんな価値を提供するのかという攻めのブランド戦略立案の支援、ネーミングやロゴその他のブランドの顔となるデザイン制作の支援を行い、そのうえで、守りの知的財産権を取得するという、一貫した攻めと守りのブランディング支援を行っている。
複数の公益財団法人や独立行政法人工業所有権情報・研修館に登録されているブランド専門家として、中小企業に対してブランドに関する公的な支援の実績もある。

中小企業のための商品開発スターターノート

中小企業のための商品開発スターターノート
ニッチ戦略×知的財産で唯一無二の存在に

独自の魅力を備えた商品の開発は、中小企業が成長するために重要な要素のひとつです。
では、リスクを抑えて効率的に商品開発を進めるためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
7月に中小企業が商品開発を進めるためのステップを解説した書籍『中小企業のための商品開発スターターノート ニッチ戦略×知的財産で唯一無二の存在に』(ザメディアジョン)を出版したTate&Hoco IP Branding代表の竹井啓氏に、同書の内容や、リスクを抑えた商品開発を進めるためのポイントについてお話を伺いました。

「ニッチ戦略」で限られたリソースを最大限に活用

Q. 本日は、今年7月に発売されました商品開発のステップを解説する書籍『中小企業のための商品開発スターターノート ニッチ戦略×知的財産で唯一無二の存在に』(ザメディアジョン)をもとにお話をお伺いできればと思います。
本書では中小企業がどのように商品開発を進めるべきか、順を追って詳細に解説されていますが、なぜ今回本書を出版しようと思われたのか、発売の背景を教えてください。

私は現在、新しい商品やサービスのブランド構築を専門とするコンサルティング事務所「Tate&Hoco IP Branding」の代表として、「御社“らしい”価値づくりで心を豊かに」というミッションのもと、独自性を重視したブランド戦略の構築から補助金の申請、デザイン開発、知的財産の保護まで、一貫した支援を提供しています。
これまで、大手企業の知的財産部での経験や運営する商品開発支援サービス・特許商標事務所での弁理士業を通じて、多くの企業の商品開発をサポートしてきましたが、そうした中で「中小企業にこそ商品開発の“型”が必要である」と強く感じるようになりました。
そこで、本書でその“型”を「商品開発スターターノート」という具体的なツールにまとめることで、中小企業のオーナーや経営者、商品開発担当者の方が限られたリソースでも効率的に新商品を開発し、市場へ投入できるように役立ててもらいたいと思ったのです。

商品開発で重要なのは、「市場のニーズを的確に捉えて独自の価値を提供する」ことです。
大手企業と正面から競争するのではなく、他社があまり注目していない小規模な市場、すなわちニッチ市場に特化して自社の強みを際立たせる「ニッチ戦略」を採用することで、激しい価格競争に巻き込まれずに、限られたリソースを最大限に活かせると考えています。
ただ、開発した商品が他社の知的財産権を侵害するリスク、自社商品が模倣されてしまうリスクなどもあり、単にニッチ市場を狙うだけでは不十分。
そこで、本書では“知的財産”の観点を踏まえた「ニッチ戦略」を中心に、商品開発のステップを詳細に解説することを心掛けました。

ニッチ戦略×スターターノート

「スターターノート」で商品開発をスムーズに進行

Q. 本書では、前半は「レッスン編」としてニッチ戦略を支える基礎理論、フレームワークを整理し、後半では「ワーク編」として実際の商品開発の流れを各ステップで解説しています。
そもそも、中小企業が商品開発をスタートする際、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。

商品開発を始める際は、「いったい何から手を付けていいのかわからない」と迷いがちです。
そこで本書では、はじめにすべきことから最後までを「スターターノートの全体像」としてまとめ、リスクを抑えながらスムーズに開発を進行できるようにしています。

まず、「ニッチ戦略」で押さえておくべきポイントは、「競合を調べてニッチを探す」「顧客を理解して独自の価値を伝える」「他社の参入を防ぐための状況をつくる」の3つ。
詳しい方法については本書を読んでいただければと思いますが、本書ではこの3つを「アイデア出し」「ラフスケッチ」「スケッチ」「事業計画」「試作品制作」「最終評価」という1~6の各ワークで確認しながら、段階的に具体化できる仕組みにしています。

6つのワーク

そして何から着手するかですが、本書の内容に沿ってご説明すると、まずすべきことは「アイデア出し」です。
商品開発で重要なのは、多角的な視点からアイデアを膨らませること。
アイデアを出す方法は、大別すると、企業理念や独自の強みから商品の軸をつくる「自社先行型」、異業種業界や同業界の商品をもとにアイデアを出す「模倣差別化型」、社会的なニーズや顧客の潜在的ニーズから商品を考える「ニーズ先行型」という3つの型があります。
そしてどの型でも大事なのは、アイデアの種となる「情報」を整理し、それを形にするための「問い」を立てることだと考えています。

アイデア出し以降は、それらのアイデアを選定し、ラフスケッチ、他社商品との比較、顧客ニーズの絞り込みなどを経て、実現可能性や継続可能性をチェックし、総合評価で最終選定します。
その後、本格的なコンセプト設計に進む、という流れを推奨しています。

この段階で、知的財産権の観点で意識すべきことは、「他社商品との比較」が挙げられるでしょう。
市場では多くの事業者が新しい領域を目指して動いているため、似たアイデアや競合商品がないかを調べることは非常に重要です。
自社で出たアイデアと似た特徴を持つ商品があるかないかチェックするのはもちろん、他社の特許や登録意匠を調べて侵害リスクがないか意識してみることも必要です。
そして、集めた情報と自社アイデアを比較して、差別化ポイントを明確にしてみること。
自社アイデアに独自要素が見つかれば、ニッチな市場で優位に立つことができるはずです。

こうした過程を経て、アイデアをさらにブラッシュアップしていきます。
ラフスケッチをもとに競合や顧客、リソースを捉えて具体化を進めるとともに、見込み顧客へのインタビューも行い、仮説と現実のズレを確認します。
さらにそのインタビュー結果を分析して共通する要望や潜在的な課題を掘り起こし、「仮のコンセプト」を確定させる……という流れになります。

販売前に知的財産リスクを最終チェック

Q. アイデアをブラッシュアップして商品が具体化された後は、どのようなプロセスで進行すればよいでしょうか?

事業計画

次にすべきことは、本書の「ワーク4」にあたる「事業計画」です。
ここで開発に掛かる費用や売値の設定、販売チャネルや資金調達までを総合的に考えるわけですね。
商品開発を事業として成立させるため、具体的な数字を意識しながらリスクと可能性を見極めて実践的な計画を立てる、非常に重要な段階といえるでしょう。
このプロセスを経て、いよいよ「試作品制作」に入っていくという形です。

試作品製作

試作品の制作では、試作、評価、改善というプロセスを繰り返して商品を完成形に近づけていきます。
ここでは、商品本体の制作や改善はもちろんですが、商品の顔となるデザインの制作やパッケージの制作、さらには取扱説明書の制作や付属品の準備、プロモーション媒体の制作までも行う必要があります。

ここで意識しておくべきことは、アイデアの保護。
試作品を外部委託する際は、アイデアの流出や権利侵害を防ぐための対策が欠かせません。
具体的には、秘密保持条項などを含む契約を結んで情報漏洩を防ぎつつ、さらに必要に応じて知的財産権の出願も検討するのがいいでしょう。
さらに、自社の商品が他社の特許権や意匠権を侵害していないかをチェックしておくことも必要です。

最終評価

こうした過程を経て、いよいよ「最終評価」の段階へと進みます。
テスト販売などを経て先に述べた「ニッチ戦略」で押さえておくべき3つのポイントを総合的に最終チェックし、正式販売へと進めるわけですね。
ここで行うべきことは、まず「差別化と知的財産リスクの最終チェック」でしょう。
要するに、他社商品との差別化や特許・商標などの侵害リスクを点検しつつ、さらに完成品や名称、デザインが他社と違う価値を持っているかを見直し、未対応リスクがあれば対処していくわけです。
加えて、実現可能性も最終チェックする必要がありますし、知的財産権を取得して、他社が簡単に模倣できない仕組みを整える必要もあります。
ここでどの権利を取得すべきなのか、どの部分を企業秘密にしておくべきなのか、そういったことを明確にしておくといいでしょう。

試行錯誤を重ねるごとにノウハウは蓄積される

Q. 最後にメッセージをお願いします。

これまで商品開発をどのように進めていけばいいか、大まかな全体像をお話ししてきましたが、改めて言いたいのは、商品開発は一度きりで終わるものではない、ということです。
当然成功することもあれば、失敗することもあります。
ですが、試行錯誤を重ねるごとにノウハウは蓄積されていきますし、自社独自の強みも際立っていくものです。
限られた人員、予算だったとしても、複数のアイデアを検証・改善しながら少しずつ形にしていく過程こそ、中小企業の大きな武器になるのではないかと思っています。

※掲載の記事は2025年11月時点の内容です。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。

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