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スペシャルインタビュー ブランディングで若年層や家族層の来訪が大幅増! 伝統と革新を融合させた「上之雷電神社」の取り組みとは? AK・design 合同会社 代表 熊谷 明美氏

AK・design 合同会社 代表 熊谷 明美氏
プロフィール
AK・design 合同会社 代表/1級資格保持者
熊谷 明美氏
武蔵野美術大学にてファインアートを学ぶ、デザイン歴20年以上。
青山のデザイン事務所や企業の企画部等で多様な案件に従事後、2008年AK・design設立。
企業・店舗・団体等の広報、Web制作のブランディングデザインを手掛け、熊谷商工会議所青年部会長など、地域に根ざした多彩な活動にも従事。
ブランド・マネージャー1級資格を持ち、デザイン×経営の視点で課題解決に挑む。
2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDで地域創生審査員特別賞を受賞。

「電気の神様」として知られる、上之雷電神社。
埼玉屈指の由緒を持つ神社ですが、「氏子離れ」「価値の喪失」「資金不足と地域経済との接点不足」という課題に直面していたことからブランディングに着手。
新たな価値を創造することで、参拝客の増加という結果を生み出しました。

2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDで地域創生審査員特別賞を受賞した事例「神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦」について、AK・design 合同会社の熊谷明美氏にお話を伺いました。

“3つの課題”解決のためブランディングに着手

本日は、2025年度「BRAND MANAGEMENT AWARD」で地域創生審査員特別賞を受賞した事例「神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦」についてお話をお伺いできればと思います。
はじめに、今回のブランディングの背景について教えてください。

「神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦」は、古くから地域に根差した神社が継承・発展の道を選び、氏子離れや地域経済との接点不足などの課題解決に挑戦した事例です。
舞台となる埼玉県熊谷市にある上之雷電神社は、「電気の神様」として知られており、古くは雷よけ、現代では電気や通信安全を祈る信仰もある、埼玉屈指の由緒を持つ神社です。
雷鳴に畏敬と希望を抱いた人々が豊作を願い、雷を神と仰いだのが原点で、戦国時代には成田氏をはじめとする武家の崇敬を受け、地域の人々からも守り神として大切に信仰されてきました。
明治期に社名が変わるなど、時代と共に姿を変えつつも、神社としての存在、守る人々の思いは一貫していました。

ただ今は、日本の神社は「少子高齢化による神社の減少」「地域のつながりの希薄化」「文化継承の危機」という3つの危機に直面しており、上之雷電神社も例外ではありませんでした。

上之雷電神社では「氏子離れ」「価値の喪失」「資金不足と地域経済との接点不足」という課題に直面しており、希少な存在でありながらも認知されておらず、存続の危機にあったのです。
そこで、 “ことあげせず”という慣習的な考え方を変えて、氏子だけに頼るのではなく、神社の価値を社会へ伝えることに挑戦しました。
その手段こそがブランディングだった、というわけです。

その背景には、神社の未来に対する川端宮司の強い危機感と、「この場所を次の世代へつなぎたい」という切実な思いがありました。
しかし、従来の在り方のままでは解決できないという現実的な悩みも抱えておられました。
そこで私は、ブランディングデザイナーとして、その思いと課題を言語化・構造化し、事業として持続可能な形へ導く支援をさせていただきました。

AR参拝体験やSNS発信をスタート

どのようにブランディングに取り組まれたのか教えてください。

まず、ブランド・アイデンティティは「雷神に護られ、心の充電ができる場所」と決めました。
機能的価値は、地域のつながりを再生する「出会いと循環の場」と、文化継承を支える「体験と参加の場」と捉え、情緒的価値は、少子高齢化の時代の「心の拠り所」、地域への誇りと安心感を生む「精神的支柱」を挙げました。

また、視覚的なブランド展開として、ロゴは2つの社印の間に親しみやすい象徴的な雷のマークを配置し、安定感と調和を表しました。
ロゴには茄子紺、朱・緋、黄金の3色を使用しています。
金は電気加護と商売繁盛、茄子紺は除災招福と高貴な神霊、朱・緋は命、充電、縁結びを表しています。

さらに体験型のブランド価値として、参拝のAR体験設置を行いました。
これはスマートフォンを通じて境内で神々の映像を体験できるコンテンツで、実際に足を運んだ方だけが味わえる、心に響く感動をお届けしています。
また、授与品も、雷神と電気の神様にちなんだ特別なお守りや絵馬を選択。
現代的なデザインと伝統的な意匠を融合させた若い世代にも響く授与品にし、話題性と特別感を持たせました。
このほか、神事や祭事などのイベントでは、参拝者と神社の接点を作り、伝統行事に現代的な要素を取り入れた体験を増やしています。

そして情報発信と地域連携では、SNSやWebで神社の歴史や行事、ご利益をわかりやすく発信するほか、祭事やイベント情報をリアルタイムで届けることで参拝者増につなげています。
加えて、地域メディアも積極的に活用し、「電気の神様」という独自の価値を広く発信しました。
そして地元の電気関連事業者とのコラボレーションを企画するなど、地元企業とのコラボレーションによって地域経済への波及効果も目指しました。

ブランド理念の浸透と運営体制についてお話しすると、まず関係者全体への理念共有のため、宮司、氏子、ボランティア、地域協力者の方々に向けた「ブランド説明会」を定期開催するようにしています。
また、みなさんで一体となって運営できるように役割分担を明確にしたほか、マニュアル化や情報共有におけるデジタル化も進めるなど、「誰か」ではなく「みんな」で守る神社への取り組みを進めています。

若年層や家族層が大幅増! 今後は海外への発信も

ブランディングの成果について教えてください。

3年前と比較してみると、若年層や家族層の来訪は42%増と大幅に増加し、イベント参加も65%増となり、おみくじは約12倍、ご祈祷は約7倍となりました。
御朱印も非常に伸びています。
参拝者は毎日訪れるようになり、神社境内の空気は一変。
参拝者からのポジティブな反応も多く集まっています。
また、境内整備資金の確保にも成功し、地域のイベントでの店舗売り上げもアップ。
経済波及効果は約850万円となりました。

今後の展望を教えてください。

今後は「地域の誇り」から「全国の誇り」へ。
地域の守り神から、「電気の神様」という独自性を活かし、全国の人々に価値を届ける存在にしたいと考えています。
そしてオンラインで距離を超え、雷電信仰の価値を世界へ発信していければと思います。

※掲載の記事は2026年4月時点の内容です。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。
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