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スペシャルインタビュー SNS動画が大反響! 高校生とつくるコンビニ“ヤツガタケマート”のブランディングとは? 株式会社イマージ 代表取締役社長 北原 友氏

株式会社イマージ代表取締役社長/ミドルトレーナー
1984年長野県生まれ。
日本大学で建築を学び卒業後、インディーズバンドのドラマーとして全国ツアーやCDリリースを経験。
イマージ入社後、2020年に代表取締役社長就任。
設計・施工のみならず、飲食・物販・フィットネスなど多角的に事業を展開し、“地域を元気にするブランディング”を実践している。
2015年に共著『販促ウエポン100』を出版。
2016年にはブランディング事例コンテスト大賞を受賞し、老舗企業のV字回復など数多くの実績を上げている。
2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDで地域創生審査員特別賞を受賞。
八ヶ岳や蓼科、白樺などの観光地へアクセスできる長野県茅野駅。
その駅前一等地に店を構える「ヤツガタケマート」は、地域住民の共感を得ながら、地元の高校生が主体となって運営するコンビニとして注目を集めています。
大手コンビニチェーンが「出店には適さない土地」と判断したこの地で、「ヤツガタケマート」はなぜ、どのようにして誕生したのか。
2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDで地域創生審査員特別賞を受賞した事例「高校生とつくるコンビニ ヤツガタケマート」について、株式会社イマージ代表取締役社長の北原友氏にお話を伺いました。
「出店に適さない土地」での店舗運営を決断
本日は、2025年度「BRAND MANAGEMENT AWARD」で地域創生審査員特別賞を受賞した事例「高校生とつくるコンビニ ヤツガタケマート」についてお話をお伺いできればと思います。
はじめに、今回のブランディングの背景について教えてください。
「高校生とつくるコンビニ ヤツガタケマート」は、地域住民の共感を得ながら高校生が主体となってコンビニ「ヤツガタケマート」を運営する事例です。
企業理念に「元気なまち」を掲げている私たちイマージは店舗の設計や施工をメインに手掛けていますが、最近では地域の価値向上を目的として駅前の空き店舗を活用した事業にも力を入れており、私たちの本拠地である長野県茅野市の茅野駅周辺で合計12業種のお店を運営しています。
そんな中、茅野駅前の一等地で、長年経営されていたコンビニが閉店し、新たにテナントを募集することになりました。
コンビニを求める市民の切実なニーズもあり、当初は大手コンビニチェーンを誘致する動きがありましたが、同チェーンがマーケティング調査を行った結果、「出店に適さない土地」とされ、テナントが決まらず1年間放置されていたんです。
その後、塗装業者が出店する予定でしたが、八ヶ岳や蓼科、白樺などの観光地へアクセスできる茅野駅のロータリーに塗装業者が出店することに違和感を覚え、悩んだ末に「私が担当します」と決断した、という形です。

“新しいコンビニ”の形を模索
具体的にどのようなブランディングを進めていったのか教えてください。
どのような業態の店を運営するか決めるため、まずは3C分析を行いました。
私たちは「元気なまち」を作っている会社であり、競合は不在。
そしてカスタマーは一般客、登山客、観光客です。
商圏としては成り立ちませんが、コンビニが欲しいという一定のニーズはあるため、コンビニ運営を決断しました。

ただ、普通のコンビニを作ってもダメなので、「商売をして稼げるコンビニ」ではなく、「残すべきコンビニ、あるべきコンビニ」を作ろうと考え、プロジェクトを進めました。

そして毎日物件の前で観察したところ、登山客、観光客に加えて通学途中の高校生が非常に多い立地であることがわかったため、「高校生に経営してもらって、高校生のニーズを汲み上げてもらおう!」と着想。
さっそく数名の高校生が集結してプロジェクトミーティングがスタートし、地元新聞社にも「新発想コンビニ誕生へ」という見出しで取り上げられました。

コンビニは、私たちイマージが経営し、村議会議員が社長を務める会社「createC」が運営を行い、社員は高校生、という体制に決定しました。
ただ物を売るだけではなく、関わることで一緒に育てていくお店にしようと考えていたので、 “競争じゃなくて共創へ。
消費じゃなくて関与へ”をコンセプトに決め、私たちのシンボルである山の“八ヶ岳”を店名に据えた「ヤツガタケマート」が誕生しました。
タグラインは「関与」してもらうことを意識して「つなぐ」という言葉を用いた「人と街と山をつなぐコンビニ」です。
ビジュアルには、八ヶ岳の“八”(8)から、循環、インフィニティを表していきたいという思いが込められています。

SNS動画が40万再生を記録
「ヤツガタケマート」への反響について教えてください。
SNSでのプロモーションを行ったところ、大きな反響がありました。
高校生が「コンビニまで歩くと10分かかる…それなら自分たちで駅前にコンビニを作ろう!」という動画を制作、発信したところ、40万回の再生を記録したのです。
さらに、コンビニの設備や間取りなどを詳しく解説する動画は20万回も再生され、報道関係者などから多くの問い合わせをいただきました。
なお、店舗づくりはイマージが中心となり、そこに高校生も参加する形でデザインを進めていきました。
塗装など店舗づくりの実際の作業も高校生たちと一緒に行っています。




また、オープン後は、プレスリリースは一切配信していないにもかかわらず、県内各社のテレビ局が取材に来るなど、メディアに多く取り上げていただきました。

「ヤツガタケマートらしさ」とは何か、と問われるならば、これは3つあると考えています。
まず1つは「共感してくださる大人がたくさんいた」ということ。
高校生の挑戦を支えたいという大人が数多くいて、温かく見守り、必要なときには手を差し伸べてくださいます。
そんな存在が、ヤツガタケマートの活動を大きく支えているのだと思います。
次に2つめは、「普通のコンビニにはない商品構成」ということです。
地元飲食店によるお弁当やおにぎり、さらには中高生のクラフト作家による手づくり作品など、ここでしか出会えない商品を並べていることは大きな特徴だと思います。
そして3つめは、「高校生の“居場所”としてのイートインスペース」です。
店内にはイートインスペースがあり、勉強をしたり、小さな会議を開いたり、高校生たちが自然に集まれる居場所になっています。
ここは単なる販売の場を超え、人と人とがつながる空間として活用されています。
実はヤツガタケマートの企画会議も、このイートインスペースで行っているのです。

今回のブランディングを改めて振り返ってみると、“自分ゴト”がまちを動かす「共感型ブランディング」だったのだと思います。
私も自分ゴトとして、この駅前のことを考えました。
そこに共感してくれたcreateCや高校生メンバー、みんなが自分ゴトとしてこの駅前を盛り上げ、さらに共感が共感を呼んでまちが動いていったことを実感しています。
今後も「元気なまち」を実現させるため、様々な手を尽くして頑張っていきたいと思います。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。


