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スペシャルインタビュー 過去最高の売り上げを達成! 全社員を巻き込んだ“共創型”のインターナルブランディングとは? 株式会社R4 毛利 大一郎氏/三浦事ム所 三浦 路夫氏

株式会社R4 毛利 大一郎氏/三浦事ム所 三浦 路夫氏
プロフィール
◆株式会社R4/ミドルトレーナー/プラクティショナー
毛利 大一郎氏
人と組織の課題解決を支援する株式会社R4にて、約15年にわたりクリエイティブ・ディレクターとして活動。会社案内、映像、ウェブサイトから社史、CI/VIにいたるまで、様々な企業広告・広報物の企画・制作を手掛ける。
近年はブランド・マネージャーとして、企業の理念策定や社内浸透、採用ブランディングの実践サポートのほか、ブランディングのセミナー・ワークショップの開催を行っている。
2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDではインターナルブランディング賞を受賞。

◆三浦事ム所/ミドルトレーナー/プラクティショナー
三浦 路夫氏
2003年に三浦事ム所を設立。
朝日新聞社やBillboard Classicsなど、著名な企業やアーティストの広告を中心にアートディレクション業務に従事。
2015年からはブランディング専門のデザイン会社へと事業を転換。
近年は、隈研吾氏が代表理事を務める国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会(G.Y.S.C)のロゴやブランドデザイン、パリでの展示会、シンポジウムなどのプロモーション業務にも携わる。

創業87年を誇る東海エリアの総合建設企業・石黒建設。
同社は社員が「代表取締役社員」と呼ばれるほど個人主義が根付いた企業風土が特徴ですが、「石黒建設らしさ」を組織全体で共有する共通言語がなく、価値観を共有する機会も少ないという課題もありました。
そこで、課題を解決するため、全社員を巻き込んだ“共創型”のインターナルブランディングに着手。ブランディング後に過去最高の売り上げを達成するなどの成果を生みました。
2025年度のBRAND MANAGEMENT AWARDでインターナルブランディング賞を受賞した事例「私の仕事から私たちの使命へ~年5回しか集まらない組織で実現した、共創型インターナルブランディング」について、株式会社R4の毛利大一郎氏と三浦事ム所の三浦路夫氏にお話を伺いました。

なぜ“共創型”を選択したのか

本日は、2025年度「BRAND MANAGEMENT AWARD」でインターナルブランディング賞を受賞した事例「私の仕事から私たちの使命へ~年5回しか集まらない組織で実現した、共創型インターナルブランディング」についてお話をお伺いできればと思います。
はじめに、今回のブランディングの背景について教えてください。

毛利:「私の仕事から私たちの使命へ~年5回しか集まらない組織で実現した、共創型インターナルブランディング」は、創業87年の総合建設企業が「価値観の明文化と共有」を目的にインターナルブランディングに取り組んだ事例です。
クライアントの石黒建設様は、名古屋市を中心に東海エリアで信頼と実績を築いてきた地域密着の企業です。
特徴は、同族経営ではなく、誰もが社長になれること。
実際、社員は「代表取締役社員」と呼ばれるほど個人の力が強い組織で、プランニングからアフターフォローまで1人の担当者がすべて対応しています。

ただ、「石黒建設らしさ」を組織全体で共有する共通言語がないという課題がありました。
また、全社員が集まるのは年間に5回しかなく、価値観を共有する機会が非常に少ないという課題もあったのです。
そんな中で社長交代があり、新社長が「より一層、地域に貢献できる会社にしたい」「それをみんなで目指していきたい」という思いを掲げられました。
それを実現するために「価値観の明文化と共有」を行うことを決断され、全社員を巻き込んだ共創型の理念策定とインターナルブランディングを実施することになったわけです。

では、なぜ「全社員を巻き込んだ共創型の理念策定」を推進したのか。
その理由は3つあります。
まず1つ目は、「社員の自律性が高い」こと。
社員一人ひとりの自律性が高く、現場直行直帰の働き方ゆえに価値観が共有されにくいことが、共創型を選ぶ大きな理由になりました。

そして2つ目は「“人”こそがブランド」であるということ。
石黒建設にはオールマイティな人材が集まっており、まさにこの“人”が価値ではないかと考え、社員一人ひとりの思いや考え方を反映した理念を作ろうと決めました。

最後の3つ目は、「社内浸透の促進」です。
理念策定後の社内浸透をよりスムーズに推進するためにも、策定のフェーズから全社員を巻き込もうと考え、共創型にしたわけです。

全社員を対象にした社内アンケートを実施

インターナルブランディングはどのように進めていったのか、教えてください。

三浦まずは新社長を中心に部署横断の「理念策定プロジェクト」を結成し、約1年かけて理念の策定を進めました。
様々な施策を行う中で特に注力したのは、全社員を対象にした社内アンケートです。

このアンケートは、全社員の思いや考え方をしっかり吸い上げて理念に反映させるために行ったもので、その結果として新理念「MVVSSS(ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン、ストーリー)」を策定しました。
一般的なミッションやバリューに加え、スピリットやスローガン、ストーリーも策定しています。
スローガン、ストーリーは社内浸透をより進めやすくするために象徴的な言葉や、少し長めの理解しやすい文章にしています。
中でも「ずっと『ありがとう』のために」というスローガンは、理念を社内外に共有するシンボリックな言葉として位置付けています。


そして理念が完成した後は、全社員に向けた「新・理念体験発表会」を実施しました。
この場では、理念の発表のほか、理念の「社内浸透プロジェクト」がスタートすることやプロジェクトメンバーの発表も行いました。
この「社内浸透プロジェクト」で最初に取り組んだことは、改めて全社員へアンケートを行うことでした。

新しい理念を理解できたのか、共感できるのか……などのことを、全社員に聞いたわけです。
そしてこのアンケートの結果をもとに、「若手主体の委員会の発足」「活動内容の定例全社共有会」「行動指針の自己採点・評価」「社員をプロジェクト会議へ順番に招待」など、様々な浸透施策を実施していきました。
また、月に1回のプロジェクトミーティングも恒常化するようになりました。

具体的な浸透策について教えてください。

毛利具体的には、浸透ツールを開発しました。
現場への直行直帰という働き方によって会社と自分とのつながりが希薄に感じられてしまうため、常に会社と自分とのつながりを感じられるように、クレドカードを全社員に配布し、理念を携帯できるようにしました。

また、社員が自分ゴトとして理念を共有できるように、過去に関わった建築物をイラスト化して「ずっと『ありがとう』のために」というスローガンと合わせたキービジュアルを作成してポスターも制作しました。
このポスターをエントランスや更衣室、会議室といった社員が普段目に入る場所に配置し、視覚的にも理念を共有できる環境を整えていったのです。

過去最高の売り上げを達成

インターナルブランディングの成果を教えてください。

三浦変化の一例を挙げると、理念を体現した行動によって、顧客から感謝のメールが届くようになりました。
さらに、理念策定後に始めた地域向けの感謝祭「ありがとう祭」など、社員が主体者となって様々なイベントを企画・運営するようになったほか、「ありがとう祭」で石黒建設の防災拠点としての取り組みが地域住民に認知されるきっかけとなり、社会貢献活動が評価・注目されるようにもなりました。

そして売り上げは、創業87年目にして過去最高の売り上げを達成しています。
加えて、地域向けの新サービスが新規の受注にもつながったほか、顧客からのクレームの数がゼロになるなどの効果も生まれています。

今後は、インターナルブランディングをますます促進しつつ、エクスターナルブランディングも強化していき、「地域社会へのさらなる貢献」を推進していきたいと思います。

※掲載の記事は2026年2月時点の内容です。
掲載内容が変更となっている場合がございますので、ご了承ください。
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