特別基調講演

株式会社JOYWOW 代表取締役社長/ブランディング・コンサルタント

阪本 啓一 Keiichi Sakamoto

「世界で一番小さいブランド・クリエイション・ブティック」JOYWOW創業者。ブランド・エッセンス、クリエイティブ・ゾーン、とんがりなど、独自の理論を構築。ビジネスに限らず、個人のパーソナル・ブランディングづくりのお手伝いをしている。
主な著訳書として、『パーミション・マーケティング』『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』『つまりこういうことだ!ブランドの授業』『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる 共感から始まる顧客価値創造』などがある。

『エリアをブランドでつくる』

台湾中西部の台中に、「宮原眼科」というスイーツ店があります。眼科なのにスイーツ?そうです、おしゃれで、インスタ映えな商品がぎっしり。二階は美味しいチャイナレストラン。同じく台中の「彩虹眷村(Rainbow Village)」は今年94歳になる黄永阜さんが自宅にペインティングして観光スポットになっています。この2つのブランドのおかげで以前なら台中がすっ飛ばされていたのが、観光ルートを変更させるパワーを生みました。
「エリアをブランドでつくる」をテーマに、現在進行中の鹿児島・長島や新潟の建築士の事例を交えながら、楽しくお話します。

2018年度ブランディング事例コンテスト受賞事例発表

大 賞
南三陸ねぎ応援プロジェクト
準大賞
能登輪島米物語
優秀賞
スマートフィット100
優秀賞
丸眞株式会社

今年も、ブランディング事例コンテストの受賞事例が決定しました!
ブランド・マネージャーや現場担当者による事例発表は見逃せません!
成果を出した優秀な事例から、あなたのビジネスにも応用できるヒントがきっと見つかります。

受賞事例の詳細を見る

大賞
南三陸ねぎ応援プロジェクト
ブランド・マネージャー:株式会社OICHOC 八幡清信

「みなさんで育む“不屈のねぎ”」を全国ブランドに!

東日本大震災の後、南三陸町では地域の雇用創出のために、塩害にも強い「ねぎ」が栽培されるようになりました。その後、南三陸町と気仙沼市で栽培されるねぎが、「南三陸ねぎ」と呼ぶれるようになります。
震災の風化も進み、東北への関心も低下していく中、復興農地という少ない面積での生産であった「南三陸ねぎ」は、地域ですら認知が低い状態でした。
ブランド・マネージャーの八幡清信さんは、南三陸町での農業ボランティアに参加しながら、ねぎ農家さんとの交流を深め、「南三陸ねぎをブランド化したい!」という農家さんからの熱い想いに応えて協力することとなります。

その後、当協会の2級資格を取得し、自社のコーポレートブランディングで実践。続いて取得した1級資格を手に、いよいよ「南三陸ねぎ」のブランディングに着手しました。
顕在化していた“生産量が少ない”“品質(味)がよい”というポイントに着目するのではなく、埋もれていた「農家さんの不屈の復興ストーリー」に独自性を見出し、「不屈のねぎ」というキーワードが生まれました。多くのボランティアの方に支えられている現状からも「共創ブランド」としての魅力も加わり、「みなさんで育てる“不屈のねぎ”」として情報発信し始めます
ブログやSNSを活用して不屈のストーリーを拡散し、共感の輪が広がりサポーターが誕生。その中には泊まり込みで農業ボランティアに訪れたり、自発的に観光に訪れるなど、地元とファンを巻き込む活動が活発化していきます。

それと共に地元企業や飲食店との商談も生まれ始め、コラボ企画や限定メニューの共同開発、公式キャラクターの誕生など広がりを見せています。

これらの活動がマスメディアでも多く取り上げられ、「動画で応募!地方創生大賞」でもPR動画が優秀賞を受賞するなど、地域ブランドにおける、ファン構築の成果を生み出しています。
ブランド要素の開発からプロモーションまでを一貫して行っている点、地方創生の視点で社会的意義の高い活動である点、デジタルを活用して巻き込み型のファンづくりで成功した点などが審査員から高い評価を得て、2018年度の大賞に選ばれました。

準大賞
能登輪島米物語
ブランド・マネージャー:株式会社Bespoke 長田敏希/平手敦

輪島市×輪島の農家9社でつくる“地域ブランド”

「お米を生活者に直接売りたい」という輪島のお米農家さん9社が手を携えて2014年にスタートしたプロジェクト。当初は市の事業で、地元のデザイナーにパッケージデザインだけをしてもらったものの、商品の売れ行きは芳しくなく、流通からの返品率も3割を超えている状況でした。
当時、輪島市に地域おこし協力隊の制度を使って勤務を始めた、山本亮さんがこのプロジェクトを引き継ぎ担当。プロジェクトの不調に頭を抱える輪島市を助けたいと、策を練ります。まず山本さんが危機感を感じたのは、プロジェクトに生産者さんの想いが反映されていないことでした。市のプロジェクトとはいえ、そこに生産者が主体的に関わる重要性を強く感じた山本さんは、母校の東京農業大学で教鞭をとる長田敏希さんに相談。チームビルディングを含めたブランド構築を依頼することとなります。

生産者が最も誇りをもつ味の良さだけでは差別化にはなりづらいと感じた長田さんは、米の食べ比べを生産者を巻き込んで行うことで、自分たちの立ち位置や一般のお客さんの感覚を理解してもらうことから始めました。どのお米も特色があって美味しい。そうであるならば、味の優劣ではなくて食べ合わせるおかずによって選び分けたり、輪島の観光資源と組み合わせることでの相乗効果を生み出すことが有効なのではないか、そう仮説を立ててプロジェクトは生産者さんを巻き込みながら加速していきます。
9種類のお米に9種類のパッケージデザイン。それぞれ、能登輪島が誇る自然や祭りごとの風景を描き、生産者さんの似顔絵とおすすめのおかずも描きました。お米とおかず、食を通して輪島を旅し、魅力を感じ取ってもらいたい。そんな想いが込められた商品が誕生しました。
リリース直後からマスメディアの取材が入り、名旅館と名高い「加賀屋」のギフト商材にも選ばれるなど、高い注目と評価を集めています。また旧商品では返品率が3割を超えていたものが現在はほぼ返品なし。人気の高さをうかがわせます。
役所任せではない、生産者と一体化してブランディングを行った意義深さ、自商品のみならず地域全体の相互創生を目指して取り組まれた点、生産者の想い・コンセプト・パッケージデザインに至るまでの一貫性などが評価され、2018年度の準大賞に選ばれました。

優秀賞 ※シンポジウムでの事例発表はありません。
スマートフィット100
ブランド・マネージャー:株式会社コムデザインラボ 高木純

日本発。24時間フィットネススタジオのリブランディング

今、24時間営業のフィットネスジムが増えています。その先駆けはアメリカ発のブランド。そんな中、日本発の24時間ジムとして東京・千葉を中心に展開する「スマートフィット100」は、今後の全国出店に備えてステップアップすることを目的にブランディングに着手しました。
ワンデイワンコイン(1日100円)から、という分かりやすい料金体系で4店舗目までは順調に拡大するも会員数は頭打ち。各店舗スタッフに委ねられたプロモーションには一貫性がなく、強みも訴求しきれていませんでした。
高木さんは様々な分析から『フィットネスを身近に』というブランド・アイデンティティを定め、そこに紐づいた施策を進めていきます。カジュアルで気軽に健康を手に入れられる業態なのだと感じ取ってもらうために、店舗デザイン・広告・従業員の教育にいたるまでの一貫性を重視。また、パーソナルトレーナーや店舗スタッフとお客様との距離感などを大事にし、クレドを活用したインターナルブランディングで「退会率」「幽霊会員数」を減らす試みも成果を挙げています。

優秀賞 ※シンポジウムでの事例発表はありません。
丸眞株式会社
ブランド・マネージャー:丸眞株式会社 眞邉光英

創始210年。鰹節問屋のリブランディング

飲食店向けの鰹節問屋である丸眞株式会社は、文化5年(1808年)に屋久島で始まった鰹節づくりを受け継いでいます。現社長、眞邉さんが先代のお父様から経営を引き継がれたのが平成9年(1997年)のこと。味にこだわる多くの飲食店からも信頼されています。
そんな中、眞邉さんは未来を見据えた「新しい丸眞」をブランドとして定着させるため、リブランディングに踏み切ります。
徹底的に自社の歴史を洗い出し、今後のあるべき姿を固めていく議論。当協会のメソッドを活用して緻密なブランド・ステートメントを作成したうえで、アートディレクターを始めクリエイティブチームの協力を仰いでビジュアルに落とし込みました。“THE UMAMI COMPANY”というブランド・アイデンティティが定まってからが化学変化の連続だったという眞邉さん。かつお節、干し椎茸、昆布などの素材を上手に掛け合わせることで、旨み成分が8倍にもなる日本の出汁と同じく、「掛け合わせて、引き出し合う」をキーワードに、想いを表現したブランディングによって、従業員の意識も変化し、誇りもさらに高まりました。現在ではマスメディアからの取材も増え、和食だけでなくイタリアンなどへのレシピ提供など、日本の食文化に欠かせない出汁の世界的な普及に貢献しています。

トークセッション

ブランディングのスペシャリスト達が集結!

ブランドの最前線で日々研究を重ねている、田中洋教授(中央大学大学院 戦略経営研究科)を始め、協会が誇るスペシャリストが繰り広げるトークセッション。「ブランディングの今」にメスを入れ、会場の皆さんと知見を見出します。

コンテスト審査員・トークセッション参加者 当日出席者(予定)

  • 当協会顧問

    田中 洋

    中央大学大学院
    戦略経営研究科 教授

  • 当協会評議員

    榛沢 明浩

  • 当協会評議員

    阪本 啓一

    株式会社JOYWOW
    代表取締役社長

  • 当協会評議員

    小池 玲子

    クリエイティブハウスR-3 代表

  • 当協会代表理事

    岩本 俊幸

    株式会社イズアソシエイツ 代表取締役
    一般財団法人日本教育推進財団 理事

  • 当協会理事

    水野 与志朗

    ビーエムウィン・ブランディングオフィス
    代表取締役社長

  • 当協会理事

    佐々木 研一

    株式会社イノベーションゲート
    解析研究員(マネージャー)

  • 当協会アドバイザー

    徐 誠敏

    名古屋経済大学経営学部
    准教授

  1. マネジメントに役立つ

    実務の現場で、ブランド・マネージャーがどのように活躍し効果を出しているか、悩みや工夫を垣間見ることでマネジメントに役立ちます。

  2. 知識が深められる

    優れた成果を上げた事例の発表や、ブランディングの現場で活躍するスペシャリストらによるトークセッションで知識が深められます。

  1. 応用しやすいケーススタディ

    様々な業界で行われたブランディング事例を聞くことができるので、自社に置き換えた時のイメージがつきやすく、応用しやすくなります。

  2. 新しいアイデアやビジネスが生まれる!?

    自由な意見交換から、思いもかけなかったような新しいアイデアが化学変化のように起き、新たなビジネスが生まれるかもしれません。

  3. 異業種の方と知り合える

    普段の業務では出会えない様々な業種・職種の方と知り合えるため、新たなつながりや連携が生まれることが期待できます。

開催概要

開催日時
2018 11/17 土 13:00~17:30 12:30入場開始
会 場
東京国際フォーラム ホールD7
チケット
一般9,000円/2級資格保持者6,000円/
1級資格保持者4,500円/学生2,000円
※価格表示はすべて税込です。 ※学生は社会人学生を除きます。
盛会のうちに終了いたしました。開催レポートはこちらからご覧いただけます。(PDF)
ダイジェスト動画はこちらからご覧いただけます。