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ブランド脳のススメ
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第4号[2009/8/25]
//www.brand-mgr.org/
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〜「ブランドで売る」ということをあらためて考える〜
こんにちは。
ブランド・マネージャー認定協会 トレーナーの水野与志朗です。
あるクライアントさんからの依頼で
民事再生を申請した企業さんを訪ねました。
外部からの資金提供を仰ぐために事業計画書が必要なので
その相談にのって欲しいとのことです。
そのクライアントさんも一緒に同席していただき
先方の次期社長さん、製造部長さんと2時間程のセッションを行いました。
私からの最初の質問は素朴なものでした。
「このビジネスを続ける理由は何ですか?」
既に人員削減などのリストラも行い、工場の稼働率も低いままで
それでも外部に資金提供のお願いをする理由は何か?
次期社長さんがおっしゃいました。
「消費者がいるからです。」
これはこれで正論なのですが
一緒に同席していたクライアントさんが言いました。
「消費者はいるけれど
このブランドでなければいけないとは思っていませんよ。
他にも同じような製品はあるし、それで十分満足しているんじゃないですか?」
先方にとって耳の痛い話ですが、真実であると思われます。
この会社がブランドで売ってきたのか
開発と営業で凌いできたのかを考えさせられました。
そもそもブランドで売ることの根本は
消費者がニーズを感じたときに
「そうだ、あれにしよう」
と思い出してもらうことです(これをブランド再生といいます)。
例えば、今日のランチはどこの店に行きますか?
そこで瞬間的に思いついた店は
みなさんのこころにブランディング出来ている店です。
つまり「焼き魚定食が食べたい」と考えたとして
「焼き魚定食なら角にある○○屋だな」と思い出してもらうこと。
これが一番効率の良い販売方法で
まさしくブランドで売るとはこのような状況を言います。
ニーズを感じたときに最初に思い出してもらえれば
広告をしなくても営業努力が少なくても
お客さんが来てくれる可能性が圧倒的に高くなります。
これがブランド認知にこだわる理由で
逆に言うならば
「知られていないものは思い出してもらえないので買われない」
ということになります。
さらに「好ましいものとして思い出してもらえる」ことも重要です。
特に消費財の業界ではブランド認知の高いブランドはいくつもありますが
「あこがれにも近い好ましい感情」と共に思い出してもらえるブランドは
どれほどあるでしょうか?
先ほどの民事再生の会社さんで
「消費者はそれじゃなくてもいいのではないか」
という言葉は「好ましさの欠落」を意味しています。
「好ましさ(好意度)」についての測定は
質問の設定が非常に微妙なのですが
一番分かりやすいのは
「そのブランドのロゴをタトゥ(入れ墨)にしたいか?」
という質問ではないかと思います。
自分の身体にそのブランドの彫り物をしても良いかどうか?
ハーレーダヴィッドソンはその典型的なブランドだと思われます。
ハローキティもそれに近いものがあるかもしれません。
また個人的にはフェラーリーの跳ね馬はかっこいいなと思いますし
アップルのリンゴのロゴをタトゥにしてもかわいいと思います。
このような感情を抱かせるにはブランド要素の一貫性がやはり重要です。
イメージをぶれさせないことと
同時にブランドの鮮度を保つように次の手を打ち続けることが重要です。
まあ、タトゥを入れたいかどうかはちょっと極端な質問ですが
そのような消費者が一体、どれくらいいるかが
「ブランド型の指標」のように思います。
ブランド・マネージャー認定協会
トレーナー 水野与志朗
水野氏のプロフィールはこちらから↓
//www.brand-mgr.org/trainer/index.html
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[1]今号の特集
「ブランドの体系化の重要性」
株式会社日本ブランド戦略研究所 代表取締役
ブランド・マネージャー認定協会
理事 榛沢 明浩氏
[2]オススメの1冊
「ある女性広告人の告白」
著者:小池 玲子 (当協会理事)
[3] 協会インフォメーション〜各講座のご案内
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【1】今号の特集
「ブランドの体系化の重要性」
株式会社日本ブランド戦略研究所 代表取締役
ブランド・マネージャー認定協会
理事 榛沢 明浩氏
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ブランド・マネージャー認定協会の理事であり
企業に対するブランド戦略コンサルティングに長けていらっしゃる
榛沢明浩氏によるコラムです。
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世の中には、たくさんのブランドが存在します。
特に、大きな企業になればなるほど、たくさんのブランドを持っています。
しかし、全体を見据えてブランド戦略をとっている企業は
ほとんどないのではないでしょうか。
1つ1つの商品を単品で、その都度名前をつけていく。
ロゴマークもその都度つくる。
それを一覧で見るとバラバラで、雑多で
そうすると全体的に統一感のないものとなってしまっています。
しかも、それによって認知されないブランドが多くなっているようです。
これではブランド化する意味がありません。
電気製品を例に挙げて考えてみましょう。
新しい技術や商品が出ると、特に技術の場合
それ1つにブランド名をつけてしまう。
しかし、技術というのは継続性があるものではなくて
常に入れ替わったり、置き換わったり革新していくものなので
実は継続性がない。
一方で、ブランドというのは継続性のあるものです。
そのため技術1つ1つで考えるのではなく
もっと上位のレベルで決めていかないと
ブランド戦略をとっているとは言えないのです。
もちろん上手にブランド戦略をとっている例もあります。
例えば、ソニーのVAIOシリーズ。
「VAIO」と一口に言っても、デスクトップタイプからノートタイプ
今ではポケットスタイルも随分人気があります。
このように「VAIO」は
1つのカテゴリーとしてブランドが確立されているのです。
特にパソコンなどは、今年売れても、来年売れるとは限りません。
そもそも外れるかもしれない。
そうなってもこのVAIOというブランドは
「格好いい」
「ビジネスというより、パーソナル向けのオシャレなパソコン」
という継続性がある1つの体系を築いていると思うのです。
逆の例もあります。
むしろこちらの方が多いのですが
ビジネス用で1つ、AVを強化したもので1つと
それぞれをブランド化してしまうのです。
そうすると上位クラスの商品には、多くの広告宣伝費をつぎ込むので
結果的に認知度も当然高くなる。
しかし、それを後から使い回しをしようと思っても
そもそも名前に統一感もないので
顧客には届かないという結果になってしまいます。
こうなると、ブランドとして育成しようと思っているようにはみえません。
場当たり的とでもいうか
結果的に残ったものをブランドと言っているだけなのではないでしょうか。
そのため、そこにはビジョンやフレームワークはない。
消費者に無用な混乱を生みかねないという意味でも
非常にもったいない話だと思います。
ブランドを意識するのであれば
機能や技術といった継続性のないものをブランド化するのではなく
ブランドの軸をしっかりと決めて体系化すること。
技術革新の激しい電化製品などの場合
一見その必要がないように思えますが
むしろブランド体系を確立することの方が大事なように思います。
機能や技術というのは、あくまでシリーズと捉えるのが賢明かもしれません。
今回は、電化製品を例に挙げましたが
ブランドの体系化の重要性は、どの業種にもあてはまることです。
みなさんも改めて自社の製品、ブランドを見直してみてはいかがでしょうか。
【榛沢氏のプロフィール】
東京大学法学部卒業。
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士前期課程修了。
コーポレートディレクション、トーマツコンサルティング、
デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)を経て
2003年に株式会社日本ブランド戦略研究所を設立。
主な著書に『知的資本とキャッシュフロー経営』(生産性出版)、
『図解ブランドマネジメント』(東洋経済)などがある。
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【2】オススメの1冊
「ある女性広告人の告白」
著 者:小池 玲子(当協会理事)
出版社:日経広告研究所 金額:1,575円 (税込)
//tinyurl.com/ywad43
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当協会の理事であり、
あのデビアス社の「スイートテンダイヤモンド」の
プロモーションを手がけた小池玲子氏の著書。
著者は、外資系広告会社のクリエイティブ・ディレクターとして、
外国人の同僚や、取引先との間でさまざまな異文化交流を重ねてきた。
女性広告人の草分けとしての軌跡は、決して平坦ではなかったはず。
著者の30余年におよぶ広告界での挑戦は、
女性や広告人のみならず、すべての人に元気を与えてくれる内容である。
さて、本書をこのメールマガジンでご紹介するには訳がある。
著者が長年手がけてきたダイヤモンドのプロモーション。
このダイヤモンドが提供する価値とは、
極めて情緒的価値が高く、機能的価値が低くはないだろうか?
関係者に怒られてしまうかもしれないが、
ダイヤモンドは、「光る石ころ」にすぎない。
この「光る石ころ」を今から30年〜40年前、
日本市場に対して「ダイヤモンドは永遠の輝き」というスローガンで、
ダイヤモンドのポジショニングを「愛=ダイヤモンド」とし、
「ダイヤモンドは愛の証し」というメッセージを繰り返し消費者に伝えた。
その成果の1つが、「婚約指輪は給料の3カ月分」の一般常識化だ。
これは、郷ひろみが二谷友里恵と結婚した時、
エンゲージリングの値段を記者に聞かれて、
「給料の3ヵ月分です」と照れながら答えたことから、
オープンになったわけだが、
もともとデビアス社が仕掛けてきたメッセージ戦略の1つである。
このようにデビアス社は、
情緒的価値以外の何ものでもないダイヤモンドを
決してファッションに走らず
「愛」の象徴としてブランドを確立するために、
あらゆる仕掛けをしてきたわけだが、「光る石ころ」に、
これほどまで情緒的価値を付加していくプロセスに驚異すら感じる。
ブランド・マネジメントに関わる人にとって、
示唆深い1冊ではないだろうか...。
詳細、ご購入はこちら → //tinyurl.com/ywad43
ブランド・マネージャー認定協会
理事長 岩本 俊幸
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【3】協会インフォメーション〜講座のご案内
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ブランド・マネージャー認定協会では
ブランドの正しい理解から、講師として活躍できるまで
確実にステップアップしながら習得できるカリキュラムを
用意しております。
各コースのスケジュールは、以下のとおりです。
詳細はURLからご確認ください。
◆ベーシックコース◆
・開催日
[第11期] 10月3日(土)、10月4日(日)
[第12期] 11月7日(土)、10月8日(日)
[第13期] 12月5日(土)、12月6日(日)
[第14期] 2010年1月23日(土)、1月24日(日)
[第15期] 2010年2月18日(木)、2月19日(金)
・時間 各日程 10:00〜18:00
・受講料 105,000円(税込み)
・別途費用 2級認定費用 10,500円(税込み)
//www.brand-mgr.org/school/basic.html
◆アドバンスコース◆
・開催日
[第3期] 2010年2月20日(土)、2月21日(日)
3月6日(土)、3月7日(日)
・時間 各日程 10:00〜18:00
・受講料 210,000円(税込み)
・別途費用 1級検定試験費用 10,500円(税込み)
1級認定費用 31,500円(税込み)
//www.brand-mgr.org/school/advance.html
◆トレーナーコース◆
・2010年上期開講予定
//www.brand-mgr.org/school/trainer.html
※アドバンスコース、トレーナーコースの受講は
ベーシックコースを受講された方に限ります。
カリキュラム・各講座への質問・お問い合わせは
まで、お気軽にどうぞ。
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◆INFORMATION◆
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8月20日に、ブランド・マネージャー認定協会の
WEBサイト(//www.brand-mgr.org/)に
「受講体験記」というページを新設いたしました!
「どんな2日間を送っているの?」
「実際にどのようなことを学んでいるの?」
「どんな雰囲気の講義なの?」などなど
疑問に思っていらっしゃる方も多いはずです。
そこで、第10期のベーシックコースを受講された
コンサルタント会社社長の2日間にわたる受講の様子と
ご自身のコメントを、写真を交えて
時系列でご紹介しております。
楽しい雰囲気はもとより、カリキュラムの内容とその受講の様子
そして何よりもブランディングの重要性を
リアルにお伝えしたいという趣旨から立ち上げたページです。
受講を検討されている皆様、ぜひ参考になさってみてください!
【受講体験記ページ】
//www.brand-mgr.org/oneday/index.html
また、当協会顧問の田中 洋氏のインタビュー第2弾も
本日アップいたしました。
続きが気になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
こちらもぜひご覧になってみてください。
【スペシャルインタビューページ】
//www.brand-mgr.org/interview/index.html
これからも、より期待に応えるように、
メルマガの内容を随時見直していく予定です。
よろしくお願いいたします。
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ご登録いただいた方および受講生のみなさまに
お送りしています。
今後このようなメールがご不要の方は、
大変お手数ではございますが、このままご返信してください。
次回からの配信は中止させていただきます。
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